北に750キロ離れたスコットランド産と判明!
チームは今回、祭壇石から採取した断片を元に、ジルコンやアパタイト(燐灰石)、ルチル(金紅石)といった鉱物の年代と化学組成を分析し、イギリス各地の岩石と照らし合わせてみました。
その結果、祭壇石のプロファイリングは、ストーンヘンジから北に約750キロも離れたスコットランド北東部にあるオーカディアン盆地の岩石とぴったり一致することが判明したのです。
これには当の研究者たちも驚きを隠せませんでした。
研究を主導したカーティン大学のアンソニー・クラーク(Anthony Clarke)氏は「私たちも唖然とし、信じられませんでした」と説明。
また研究に参加した英アベリストウィス大学(Aberystwyth University)の地質学者リチャード・ベビンズ(Richard Bevins)氏は「今回の発見は本当に驚くべきもので、祭壇石をウェールズ産とする過去1世紀にわたって考えられてきた説を覆すものとなりました」と話しています。
しかし真に驚くべきは、高度な交通手段の発達していない数千年前の段階で、6トンもの巨石を750キロにわたって運ぶ技術が存在したことです。
一体、当時の人々はどうやって巨石を長距離輸送したのでしょうか?
これについてクラーク氏は陸路での輸送は障害が多すぎるため、おそらく海上輸送を使った可能性が高いと指摘しています。
「このような大規模な貨物をスコットランドからイングランド南部まで陸路で輸送するのは非常に困難であり、イギリス沿岸の海上輸送ルートを使ったと考えられます」
そしてこの事実は新石器時代のイギリスに高度な社会的協力のネットワークと長距離輸送の技術が整っていたことを示す貴重な研究です。
ただ皆さんもすでに疑問に思っているように、ストーンヘンジの作り手たちがなぜ遠方にあるスコットランドの巨石をわざわざ祭壇石に選んだのかは解明できていません。
当時のイギリスで「スコットランドの岩石には強い魔力が宿っている!」などと人々の間で噂になっていたのでしょうか?
今回の驚きの発見により、ストーンヘンジの謎の探求はさらに白熱しそうです。
いくら海路にしたって石器時代に人手で態々長距離運んだっていうのは不自然すぎる
氷河によって運ばれた迷子石じゃない?