自閉症の人々はTRPGのプレイにより現実世界で前向きになる
TRPGとは、テーブルゲームのジャンルの1つであり、紙や鉛筆、サイコロなどの道具を用いて、人間同士の会話とルールブックに記載されたルールに従って遊ぶゲームです。
プレイヤーは、ゲーム内のキャラクターを演じながら物語を楽しむことができます。
例えば、普段は温厚で慎重な性格な人でも、ゲーム内では「勇敢で向こう見ずな戦士」を演じることがあるわけです。
ちなみに現在、「RPG」と言えば、一般的に『ドラゴンクエストシリーズ』などのコンピュータを用いたゲームのことを指しますが、これらはTRPGをコンピュータで再現したものであり、ゲームの根幹は同じだと言えます。
そして今回の実験に使用されたのは、世界初のTRPGであり、現在でも広くプレイされている『ダンジョンズ&ドラゴンズ』です。
では、自閉症の人々がこれらTRPGでキャラクターになりきってゲームをした結果、どのような変化が生じたのでしょうか。
研究チームの報告によると、参加者たちは、「TRPGをプレイすることで友好的な環境が得られ、参加している他の人たちへの親しみを感じることができた」と語ったそうです。
また彼らは、「ゲームのキャラクターから得た特徴のいくつかを、ゲーム外にも持ち出すことができ、そこで自分自身に関してこれまでとは違った感覚を持つことができた」とも語っています。た
例えば参加者たちは、勇敢なキャラクターでプレイすることで、現実でもいくらか勇敢になれたと感じたわけです。
アサートン氏も、「参加者の多くは、このゲームの一部を日常生活にも応用しようとしている」と語りました。
RPGには確かに、人に自信をつけさせる効果があるのです。
今回の研究は自閉症の人々を対象に行われましたが、「コミュニケーションが苦手だ」「社会に馴染めるか不安だ」「自分が他の人にどう受け止められているのか怖い」「日常生活が辛い」と感じるのは、彼らだけではありません。
診断の有無に関わらず、私たちの多くは現実世界における生きづらさを噛みしめています。
だからこそ私たちも、RPGをプレイすることで少しでも自分を変革し、自信をつけることができるかもしれません。
主人公の考えや行動に感銘を受け、自分もそうあろうとすることで、現実世界が少しでも明るくなることに期待したいものです。
また彼らは、「ゲームのキャラクターから得た特徴のいくつかを、ゲーム外にも持ち出すことができ、そこで自分自身に関してこれまでとは違った感覚を持つことができた」とも語っています。た←