電子1個の共有結合は吸収する光の波長が異なる
今回の研究によりほぼ1世紀前に提唱された炭素‐炭素の1電子の共有結合の存在が明確に実証されました。
研究者たちは、この新たな化学結合を利用することができれば、全く新しい化合物を作り出すことが可能になると述べています。
実際、化合物2の性質を調べるために光を照射したところ、1電子結合に由来する「1405nmの光(近赤外線領域)」を良く吸収することが判明しました。
このような吸収パターンは、電子が1個多い化合物1や、結合が解除された状態にはみられませんでした。
このことは電子1個の共有結合を持つ化合物2が独自の光学特性を持つことを示しています。
高度な科学は魔法と区別ができないとしばしば言われます。
結合状態を操作する技術は、物体の性質やありかたを操作する「魔法」となるかもしれません。