放射線を照射すると小石が時速250㎞で飛んでいった
小石に強力なX線を放射するとどうなるのか?
謎を解明するため研究者たちはスイッチを入れ、X線を6.6ナノ秒間だけ照射しました。
実験装置は世界で最も強力なX線を発射できるため、6.6ナノ秒間の照射でもメガジュールクラスのエネルギーが小石に向けられたことになります。
すると照射を受けた側の小石の表面が瞬間的な蒸発し、膨張したガスはロケット噴射のように小石を押し出し、石英は時速250㎞(毎秒69.6m)、シリカは時速253㎞(毎秒70.3m)まで加速されたことがわかりました。
強力なX線が照射された部分が一瞬で気化され、その圧力に押される形で残った固形部分が飛んでいったわけです。
研究者たちは、この技術を大規模化していけば、最終的に直径4㎞の小惑星の軌道を逸らすことができると述べています。
ただそこまでいくと、核ミサイルを使うよりも巨大なX線照射砲を使ったほうが安上がりのような気もします。
研究者たちはNASAが人工衛星を小惑星に衝突させたダートミッションのように、実際の小惑星を使ったテストを行いたいと述べています。