ホウボウは砂に隠れた貝を探し当てるプロ
プリオノトゥス・カロリヌスはスズキ目ホウボウ科のニシホウボウ属に分類される魚の一種です。
野生個体は主に大西洋の西側、より正確にはアメリカ大陸の東海岸付近の海底に生息しています。
ここではわかりやすさを優先して、本種を以下「ホウボウ」と表記することにします。
ホウボウの最大の特徴となるのは、胸ビレの付け根から左右に3本ずつ生え出た「脚」です。
この計6本の脚はカニ脚のように細く、ホウボウはこれらを使って海底をチョコマカと歩いたり、砂を掘って獲物を捕らえたりしています。
こちらが脚を使って歩く実際の様子です。
これまでの研究で、ホウボウは脚を使って砂中に隠れ潜んでいる貝類を見つけ出すのが非常にうまいことが知られていました。
どこに埋まっているかもわからない貝類を的確に探し当てる姿は、まるで最初からそこに隠れていることを知っているかのようでした。
これを受けて研究チームは「もしかしたら、ホウボウの脚先には味覚を感じるセンサーがあるのではないか?」との大胆な仮説を立てたのです。
そこでチームはホウボウの脚先に”舌”があるのか実験で確かめてみました。