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paleontology

【全長2.6m】車サイズの巨大ヤスデ、謎だった「顔」を発見!しかし研究者は困惑

2024.10.19 Saturday

太古の地球は、虫ぎらいでは絶対に住めないほど、昆虫を含む節足動物たちが大型化していました。

その中でも特に巨大で、”史上最大級の節足動物”とされるのが絶滅ヤスデの「アースロプレウラ」です。

全長は最大で約2.6メートルに達したと推定され、長さだけでいえば自動車サイズになります。

その一方で、アースロプレウラは胴体部分こそ詳しく復元されているものの、これまで頭部が見つかっていませんでした。

しかし今回、英ロンドン自然史博物館(NHM)らの研究で、ついにアースロプレウラの「顔」の全体像が明らかになったのです。

研究者たちが驚いたのはアースロプレウラの胴体はヤスデの特徴を持っていたのに対し、頭はヤスデではなく、ムカデの特徴を持っていることでした。

研究の詳細は2024年10月9日付で科学雑誌『Science Advances』に掲載されています。

 

Largest ever millipede’s head revealed by 300-million-year-old fossils https://www.nhm.ac.uk/discover/news/2024/october/largest-ever-millipede-head-revealed.html Never-before-seen head of prehistoric, car-size ‘millipede’ solves evolutionary mystery https://www.livescience.com/animals/extinct-species/never-before-seen-head-of-prehistoric-car-size-millipede-solves-evolutionary-mystery
Head anatomy and phylogenomics show the Carboniferous giant Arthropleura belonged to a millipede-centipede group https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adp6362

自動車サイズの古代ヤスデ、「顔」が見つかっていなかった

アースロプレウラ(学名:Arthropleura)は和名で「コダイオオヤスデ」と呼ばれるように、ヤスデのグループに属しています。

今から約3億4600万〜2億9000万年前の石炭紀に生息していました。

アースロプレウラの体サイズは種類によって様々ですが、特に巨大なものは成体で全長2メートルを超え、中には全長2.6メートル、体重50キロに達するモンスター級の個体もいたと推定されているほど。

一部のウミサソリと並んで”史上最大級の節足動物”と称されています。

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アースロプレウラの復元イメージ / Credit: commons.wikimedia

アースロプレウラは当時の大陸配置で見ると、赤道周辺に広がっていた沼地の森林に住んでいました。

そのため、アースロプレウラの体や脱皮の殻が土砂の中に埋没し、無酸素状態で腐敗や分解が防がれて、化石として残りやすくなったのです。

アースロプレウラの化石はその後、大陸移動によって世界各地に移動し、1800年代後半から主に北アメリカとヨーロッパでよく見つかっています。

しかし一方で、胴体部分の化石は数多く見つかっているものの、これまで頭部の完全な化石が見つかっていませんでした。

というのも、アースロプレウラの化石のほとんどは脱皮の際に残された外骨格の殻であり、本体は頭の開口部からモゾモゾと這い出てきたため、頭部の殻が崩れて消えやすかったからです。

それゆえ、アースロプレウラの復元像で見られる頭部はすべて、研究者たちの想像に頼っていました。

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アースロプレウラの復元イメージ / Credit: ja.wikipedia

しかしロンドン自然史博物館らの研究チームは今回、頭部まで保存されたアースロプレウラの幼体化石を2つ再発見したことで、アースロプレウラの「顔」を初めて復元することに成功しました。

次ページ史上初、アースロプレウラの「顔」を復元!

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