「いつ禁煙すべき?」禁煙がもたらす効果を年齢別に分析
タバコの煙には4000種類以上もの化学物質が含まれており、そのうち200種類以上は有害物質だとされています。
ニコチン、一酸化炭素、タールなどは、有毒物質の代表的な例です。
そしてこれらが、体内のほぼ全ての臓器に害を及ぼします。
そのため喫煙は、がん、脳卒中、心臓病、肺疾患と関連しています。
実際アメリカでは喫煙に関連する死亡者数が年間48万人以上にものぼると推定されています。
しかし、これら喫煙による早期の死亡は、「予防可能」であり、それゆえ多くの人々が禁煙することを勧めています。
そして喫煙に関する現状に関して、トウィ・レ氏は次のように述べています。
「過去10年間で、若年成人の喫煙率は著しく低下しました。
しかし、高齢者の喫煙率は停滞したままです。
そして私が知る限り、禁煙が高齢者にもたらすメリットを立証した研究はありませんでした」
確かに何十年も喫煙を続けている人にとって、タバコを吸うことは離れがたい日常生活の1つであり、強い動機付けがなければ禁煙には結び付きません。
喫煙を続ける多くの高齢者は、「今更禁煙したところでどうなるのだろうか。残りの短い人生を喫煙と共に楽しんだ方が良い」とさえ考えるかもしれません。
そこで今回、トウィ・レ氏ら研究チームは、がん予防の研究「Cancer Prevention Study II」、アメリカ国民健康インタビュー調査「National Health Interview Survey」における喫煙データ、アメリカの年齢別死亡率「United States life tables」などを用い、禁煙がもたらす影響を年齢ごとに調べました。
それぞれのデータは、イレギュラーな新型コロナウイルスの影響を排除するため、2018年のものが用いられました。
そして、35歳、45歳、55歳、65歳、75歳のそれぞれの年齢まで喫煙していた人が失う寿命や、禁煙によって延びる余命の程度を明らかにしました。
その結果、35歳で禁煙すると、平均で8年寿命が延びると分かりました。
では、75歳で禁煙するとどうなるのでしょうか。