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75歳で禁煙するとどうなる? / Credit:Canva,ナゾロジー編集
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歳を取ってからする禁煙に意味はあるのか?「75歳からでも効果がある」

2024.10.17 Thursday

喫煙が習慣化すると、体に悪いと分かっていても、なかなかやめることができません。

「タバコを吸い始めて10年、20年」という人もいれば、「50年吸い続けてきた」という人もいることでしょう。

では、長年喫煙を続けてきた人にとって、禁煙はもう意味のないことなのでしょうか。

アメリカのミシガン大学(University of Michigan)に所属するトウィ・レ氏ら研究チームは、喫煙が寿命に与える影響を35~75歳の人を対象に計測しました。

その結果、35歳で禁煙すれば8年寿命が延びると分かりました。

では、75歳で禁煙すると寿命はどれくらい延びるのでしょうか?

研究の詳細は、2024年6月25日付の学術誌『American Journal of Preventive Medicine』に掲載されました。

Quit smoking at 35 for 8 years more life – but what if you’re 75? https://newatlas.com/health-wellbeing/quitting-smoking-life-expectancy-all-ages/ Attention Seniors! It’s Never Too Late to Stop Smoking https://www.elsevier.com/about/press-releases/attention-seniors-its-never-too-late-to-stop-smoking
The Benefits of Quitting Smoking at Different Ages https://doi.org/10.1016/j.amepre.2024.06.020

「いつ禁煙すべき?」禁煙がもたらす効果を年齢別に分析

タバコの煙には4000種類以上もの化学物質が含まれており、そのうち200種類以上は有害物質だとされています。

ニコチン、一酸化炭素、タールなどは、有毒物質の代表的な例です。

そしてこれらが、体内のほぼ全ての臓器に害を及ぼします。

そのため喫煙は、がん、脳卒中、心臓病、疾患と関連しています。

実際アメリカでは喫煙に関連する死亡者数が年間48万人以上にものぼると推定されています。

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寿命を縮める喫煙。何十年も喫煙を続けてきた人もいる / Credit:Canva

しかし、これら喫煙による早期の死亡は、「予防可能」であり、それゆえ多くの人々が禁煙することを勧めています。

そして喫煙に関する現状に関して、トウィ・レ氏は次のように述べています。

過去10年間で、若年成人の喫煙率は著しく低下しました。

しかし、高齢者の喫煙率は停滞したままです。

そして私が知る限り、禁煙が高齢者にもたらすメリットを立証した研究はありませんでした」

確かに何十年も喫煙を続けている人にとって、タバコを吸うことは離れがたい日常生活の1つであり、強い動機付けがなければ禁煙には結び付きません。

喫煙を続ける多くの高齢者は、「今更禁煙したところでどうなるのだろうか。残りの短い人生を喫煙と共に楽しんだ方が良い」とさえ考えるかもしれません。

そこで今回、トウィ・レ氏ら研究チームは、がん予防の研究「Cancer Prevention Study II」、アメリカ国民健康インタビュー調査「National Health Interview Survey」における喫煙データ、アメリカの年齢別死亡率「United States life tables」などを用い、禁煙がもたらす影響を年齢ごとに調べました。

それぞれのデータは、イレギュラーな新型コロナウイルスの影響を排除するため、2018年のものが用いられました。

そして、35歳、45歳、55歳、65歳、75歳のそれぞれの年齢まで喫煙していた人が失う寿命や、禁煙によって延びる余命の程度を明らかにしました。

その結果、35歳で禁煙すると、平均で8年寿命が延びると分かりました。

では、75歳で禁煙するとどうなるのでしょうか。

次ページ「何歳になっても禁煙するメリットはある」と判明

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