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75歳で禁煙するとどうなる? / Credit:Canva,ナゾロジー編集
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歳を取ってからする禁煙に意味はあるのか?「75歳からでも効果がある」 (2/2)

2024.10.17 Thursday

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「何歳になっても禁煙するメリットはある」と判明

まず、「タバコを吸い続けた人」と「全く吸ってこなかった人」の違いを比較してみましょう。

研究の結果、成人になってから、35歳、45歳、55歳、65歳、75歳まで喫煙を続けていた人は、喫煙しないままその年齢まで過ごしてきた人と比べて、余命がそれぞれ、9.1年、8.3年、7.3年、5.9年、4.4年少ないと分かりました。

35歳の時点で、喫煙してきた人と喫煙してこなかった人では、余命に大きな差が生じることが分かります。

そして当然ですが、その後も喫煙を続ける人は死亡率が高くなり、実際に多くの人が亡くなります。

一部の喫煙者は65歳、75歳まで生きますが、やはりその時点で喫煙したことがない同性代の人と比べると、余命には4~6年ほどの差が生じます。

これらの結果は、「タバコを吸い続けた人」と「全く吸ってこなかった人」では、残された寿命に大きな違いが出ることを示しています。

では、既にタバコを吸い続けてきた人は、現時点で禁煙することで、余命に何らかの影響を与えることができるのでしょうか。

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35歳で禁煙すると8年余命が延びる。75歳で禁煙すると0.7年余命が延びる / Credit:Canva,ナゾロジー編集

研究の結果、35歳、45歳、55歳、65歳、75歳まで喫煙してきた人が、その時点で禁煙すると、平均して8.0年、5.6年、3.4年、1.7年、0.7年の余命の損失を回避できると分かりました。

これまで喫煙してきた人は、喫煙してこなかった人と同じ健康状態にはなれません。

しかし、禁煙することは無駄ではなく、できるだけ早くやめることで、そのままでは失われてしまう寿命を守ることができます。

35歳や45歳でタバコをやめれば、寿命が5~8年も伸びるという事実は、働き盛りの人々が禁煙するための強い動機付けとなります。

では、65歳や75歳で禁煙する人が、半年~2年ほどしか寿命が延びないのであれば、「やめる意味はほとんどない」と考えるべきでしょうか。

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高齢になっても禁煙するメリットはある / Credit:Canva

そうでもありません。

研究結果によると、65歳で禁煙した人の約10%が、やめなかった人と比べて、8年寿命を延ばしていることが分かったからです。

そして75歳で禁煙した人の8%が、やめなかった人と比べて、4年寿命を延ばしていたのです。

こうした数字は、長年喫煙を続けてきた65歳や75歳の愛煙家やその家族にとって、希望となるはずです。

たとえ「今更やめたところで」と感じたとしても、そこからできるだけ早く禁煙することで、余命が何年も延びる可能性があるのです。

何歳であったとしても禁煙にはメリットがあります。

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