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この世界は本当は「何次元」なのか? (2/2)

2018.08.05 Sunday

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三次元を超えた世界

時間は4つ目の次元と考えられています。しかし、それは空間的な次元ではありません。観測できる宇宙で物体の位置を特定するには時間が必要です。というのも、すべてのものは動いているからです。相対的な空間では、アインシュタインは時間を空間の古典的な3つの次元に加えました。数学的には、これらの4つの次元は一般的に時空として引き合いに出されるものに固く結びつけられています。そこには数学的形式主義を超えた考えの大きな飛躍があります。例えば、電磁気学の性質を完全に正確に表現できるのは、この4-Dモデルにおいてだけです。

では、空間的に三次元以上は存在するのでしょうか?これは挑戦的な質問です。というのも、私たちの精神は、長さ、幅、高さのみを知覚できるように作られているからです。ひも理論を採用している科学者たちの中には、私たちのようなちっぽけな哺乳類の目に映るよりも、高い次元の現実があると主張する人もいます。

宇宙を構成している素粒子に関する知識は、量子物理学の標準モデルとして知られているものに集約できます。標準理論はすべてのものを形作っている基本的な構成ブロックと、そのブロックに作用する力の両方を説明します。基本ブロックは知られている限り12個あり、6つのクォークと6つのレプトンです。そして力は4つあり、重力、電磁気力、強い核力と弱い核力です。各基礎的な力は力を伝達する基本粒子によって生み出されます。例えば、光子は光の粒子ですが、電磁気力を媒介しています。

これらの粒子や力の振る舞いは、厳密な正確さを持って標準モデルで表されています。しかし、一つだけ例外があります。重力です。微視的に重力を説明することは極めて難しいことがわかっています。重力の量子論を見つけることは、今日の理論物理学で最も重要な問題の一つです。

そこでひも理論は、どのように宇宙が働いているのかを説明する2つの理論、一般相対性理論と量子論を統合することで、この難問を解こうとしています。そのため、「究極の理論」と呼ばれることもあります。

この理論の枠組で言えば、標準モデルの基本粒子はすべてヒモと呼ばれる1次元の物体として置き換えられます。各ヒモは相対性理論で表される時空の4つの次元に対応し、それに6つの小さな次元(一つは電磁気力で、5つは核力に対応)が加えられます。これらの推測的な追加の次元が検出できない理由は、私たちにとって小さすぎるために検出できないからだと考えられています。逆に、他の説明によると、この次元が大きすぎるので、私達の知覚は、この高次の宇宙またはマルチバースにおいて、4次元の表面に限定されているということです。

Credit: Andrew J. Hanson / 6つの余剰次元の形とされるカラビ・ヤウ多様体

追加の6つの次元を可視化する一つの方法は、カラビ・ヤウ多様体の形態をとることで、付加的な次元がお互いに巻きあって、非常に小さくなるので検出が極めて困難です。これらの多様体は、粒子の右向き、左向きの対称性を保持しており、標準理論の局面を再現するのに十分なだけの超対称性を保存しています。6次元のカラビ・ヤウ多様体には何万もの可能なモデルがあり、ひも理論ではどの多様体が正しいものかを決定づける合理的な方法は提示されていません。

10次元空間を記述するひも理論方程式には様々なバージョンが存在します。しかし、1990年台にエドワード・ウィッテンが11次元の観点から見たらひも理論をもっと単純化できると提唱しました。この理論はM理論と呼ばれています。さらに、ボソンひも理論によると、最大26次元まであります。

しかし、現在ひも理論が自然界を正しく記述しているという実験的な直接の証拠はありません。物理学者たちが、世界をあらわす織物をつついて大いに楽しんでいる一方で、それを実際に審査できる人はいないのです。

via: ZME Science/ translated & text by SENPAI

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