老人の正体はヒンドゥー教の聖人「シヤラム・ババ」と判明
この映像がSNS上で最初に拡散された際は「インド南部のベンガルール近くにある洞窟から救出された188歳の男性である」とキャプションで説明されていました。
しかし動画が多くの注目を集める中で、直ちにその内容が誤りであることが指摘されています。
こちらが最初に拡散された実際の動画。
🇮🇳 This Indian Man has just been found in a cave.
It’s alleged he’s 188 years old. Insane. pic.twitter.com/a7DgyFWeY6
— Concerned Citizen (@BGatesIsaPyscho) October 3, 2024
識者によりますと、この老人は「シヤラム・ババ(Siyaram baba)」という名前の男性で、ヒンドゥー教の導師(グル)として、インドのヒンドゥー教徒の間では非常に有名な人物だといいます。
シヤラム・ババはインド中央部のマディヤ・プラデーシュ州にあるカルゴン地区に居住しており、ヒンドゥー教の聖典の一つ『ラーマーヤナ』の教えに生涯を捧げてきました。
ヒンドゥー教に基づいた厳格なライフスタイルで知られており、1日に21時間(!)にわたって聖典を読み続けていたり、瞑想と祈りに時間を費やしていたというのです。
また厳しい苦行の一環として、約10年間にわたり片足で立って生活するという偉業も成し遂げたと伝えられています。
シヤラム・ババは基本的に薄いふんどし一枚だけを身につけており、現代人のように冷房や暖房を一切使用することなく、どんな気候も同じ姿で生活し続けました。
周囲の人々は「シヤラム・ババは長年の瞑想と精神的な修行によって、どんな過酷な気候条件にも体を適応させられる能力を手にいれたのだ」と信じられています。
聖典を読むシヤラム・ババの様子。
110 years old Siyaram Baba still reads Ramayana without glasses🚩
History has witnessed that Indian sages have surprised the whole world with the power of yoga and meditation. pic.twitter.com/DrAJ5qSXlh
— Satyaagrah (@satyaagrahindia) December 22, 2022
彼の生き方は多くのヒンドゥー教徒の尊敬を集め、しばしばインド中から教徒たちが彼の元を訪れ、祝福や導きを求めてきました。
そのためか、シヤラム・ババは教徒たちから膨大な額の寄付金を受けたのですが、彼は命を繋げるだけのわずかな食糧を買うこと以外にはお金を使わず、残りはすべて寄付に回したのです。
そして彼の実際の年齢は188歳ではなく、110〜120歳が正しいとされていますが、実は調べてみると、この情報も正しくはありませんでした。
というのも「シヤラム・ババは最近、94歳で亡くなった」とするニュースが報じられたからです。