ゾウは長い鼻を効率的に動かしている!バナナも剥ける!
ゾウの鼻が自由自在に動いている様子を見ると、その鼻は全体が同じ仕方で伸びているように感じるものです。
しかし、アメリカのジョージア工科大学(GATech)の2022年の研究では、ゾウの鼻は、全体が均等に伸びるのではなく、先端の方から先に伸びはじめ、根元に近づくほどあまり伸びないことが分かりました。
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その理由について研究チームは、「鼻の先端部を伸ばして、根元をそれほど動かさないのは、(使う筋肉が少ないので)動かすのが楽だからだと考えられます」と述べています。
ゾウたちは、膨大な数の筋肉で構成されている鼻だからこそ、ちゃんとエネルギーを節約して、効率よく動かしていたのです。
ここまで、ゾウの鼻に秘められた「器用さの秘密」を考えてきました。
ではゾウは、これらの能力を用いて、どれほどの作業ができるのでしょうか。
Baby elephant asking for treats
pic.twitter.com/CtY5iU2iXR— Science girl (@gunsnrosesgirl3) December 16, 2024
Xの投稿で示されたように、野菜や果物をつかむことは簡単です。
また、ドイツのベルリン・フンボルト大学(Humboldt University of Berlin)の2023年の別の研究では、ゾウがその鼻を使ってバナナの皮を剥けると報告されました。
ゾウは、鼻先でバナナの皮をつかんだ後、バナナ本体を地面へ振り払い、その勢いを利用して皮を剥くのです。
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地面に落ちたバナナは、確かに皮が剥けています。
ちなみに、仲間のゾウがいると、皮を剥かずに食べる傾向があるようで、専門家は「おそらく、皮むきしている間に他のゾウにバナナを食べ尽くされてしまうからでしょう」と述べています。
このエピソードから、ゾウが示す器用さは、鼻の機能だけでなく、知能の高さからも来ていると分かります。
こうした数々の発見にも関わらず、実はは、ゾウの鼻のメカニズムに関する研究は、前世紀からあまり進んでいません。
今後も、その器用さがどこから来るのか、新しい理解がもたらされる時を楽しみに待ちたいものです。