【2024年度版】最もヤバイ生物学ニューストップ「7」
【2024年度版】最もヤバイ生物学ニューストップ「7」 / Credit:clip studio . 川勝康弘
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【2024年度版】最もヤバイ生物学ニューストップ「7」

2024.12.30 12:00:27 Monday

2024年、生物学の最前線では数多くの大ニュースが続々と報告されました。

たとえば「産まれる前に半分の卵が死ぬイモリの謎が200年越しに解明」「生と死を超える“第3の状態”でヒトのゲノムがまったく別の生物に変化」「敗北すると格下相手にも負け続ける“勝者敗者効果”の衝撃」「哺乳類でママしか授乳できない理由の数学的証明」など、思わず目を疑う話題ばかり。

さらに「プラセボ手術が本物の手術と同等の治癒効果を示す不思議」「生態系を根底から揺るがす“鏡像細菌”誕生の危機」「愛情を注がれたラットに正義感と善悪判断が芽生える」という驚きの結果まで登場しました。

これらは進化論や医療、生命倫理を大きく変えてしまう可能性を秘めています。

そこで本記事では、2024年度版の生物学ニュースTOP7をわかりやすくまとめ、各研究の核心と今後の展望をご紹介します。あなたの“生命観”をガラリと変えるかもしれない最新トピックを、ぜひ最後までチェックしてみてください。

第7位:「半分の卵が死亡する」イモリの200年にわたる致死システムの謎がついに解明

第7位:「半分の卵が死亡する」イモリの200年にわたる致死システムの謎がついに解明
第7位:「半分の卵が死亡する」イモリの200年にわたる致死システムの謎がついに解明 / Credit:clip studio . 川勝康弘

産まれる前に半分死ぬイモリの話です。

オランダのライデン大学(LU)で行われた研究により、卵の半分が孵化前に死亡するというイモリの奇妙な致死システムの謎が解明されました。

この奇妙な現象については200年以上前に発見されてから現在に至るまでに、致死システムの仕組みや死ぬことで得られるメリットなどさまざまな説が報告されてきましたが、どの研究も染色体や遺伝子の包括的な分析が行われておらず、決め手に欠けていました。

しかし新たに行われた研究では、詳細な遺伝子地図が作成され、イモリの致死システムが第1染色体に起きた1回の大規模な変異に起因していることが示されました。

また致死システムが簡易な進化促進装置、あるいは種分化装置として機能しており、わずか2世代という僅かな期間で新種を作り出す手段になること、さらに先祖となる集団からの遺伝子混入に対して、致死システムが保護機能を発揮し、新種の確立を助けていることなどが判明しました。

さらに研究では、進化メカニズム解明の決め手となったイモリの第1染色体の新事実も明らかにされています。

卵の半分が死ぬという事実からは、自然の摂理に反する理不尽さを感じずにはいられませんが、生命にとってはしばしば効率的な増殖能力よりも新種を確立することのほうが重要なのかもしれません。

今回は記事本文にて、イモリの謎にまつわる歴史的な経緯を紹介しつつ、研究内容の詳細な解説を行っていきます。

「半分の卵が死亡する」イモリの200年にわたる致死システムの謎がついに解明

次ページ第6位:生命には生と死を超えた「第3の状態」が存在すると判明

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