動物たちが1日に「できる」回数は?
人間は月に1~3回程度の性行為が一般的であり、男性は1日に1~3回程度の射精が可能です。
もちろん個人によって差があり、米国の性科学者アルフレッド・キンゼイの報告によると、1度のセックスで射精回数が6~8回に及んだ例があるという。
対象を動物界全体に広げるとどうでしょうか。
オオカミは1日あたり1~数回の交尾を行います。
他の動物も一部の例外を除いて、同じくらいでしょう。
では、水中を泳ぐ魚たちは、どうでしょうか。
観賞魚として古くから日本人に親しまれてきたメダカについて考えてみましょう。
メダカの産卵行動では、オスがヒレを使ってメスを抱き、メスの腹から出た卵に精子をかけます。
この間10~20秒であり、精子と卵が結び付くことで受精卵ができます。
「オスはたくさんの精子を作り、メスは大きな卵を少しだけ作る」という違いから、オスは複数回放精できると考えられています。
そのためメダカの繁殖については、メスの卵が主に注目されており、オスの精子の数はあまり気にされてきませんでした。
しかし最近の研究から、膨大な数の精子を作るには、予想以上に多くのエネルギーや時間が必要だと分かってきました。
このため、オスのメダカの1日の放精数の限界を知ることは、メダカがどのように子孫を残しているかを理解する上で重要な鍵になると考えられるのです。
そこで近藤氏ら研究チームは、メダカの産卵行動の限界や受精率への影響、行動の変化などを調べることにしました。