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統合失調症患者は『光の強さを区別する能力』が低下していた! (2/2)

2025.02.07 07:00:12 Friday

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見え方の違いが示す統合失調症の新たな側面

研究の結果、統合失調症患者のコントラスト感度は、健常者と比較して有意に低下していることが確認されました。

特に、低い空間周波数(粗いパターン)に対する感度が著しく低下していたという。

さらに、服薬の影響も無視できず、抗精神病薬の投与量が多いほど、コントラスト感度の低下が大きくなる傾向が確認されました。

これは、統合失調症における視覚処理の異常が、これまで考えられていたよりも深刻であることを示しています。

特に、低空間周波数のパターン(粗い縞模様)の識別能力が著しく低下していることは、患者が日常生活で視覚的な情報を適切に処理できていない可能性を示唆しています。

この異常は、視界がぼやけたり、暗い環境で物の形を認識しにくくなるといった症状に結びつきます。

例えば、統合失調症患者は相手の表情を識別することが苦手だと言われていますが、この研究結果は、その一因として視覚コントラスト感度の低下が関与している可能性を示唆しています。

Credit:canva

また、運動中の物体の認識が難しくなることで、歩行時の障害物回避や車の運転などにも支障をきたす恐れがあります。

さらに、抗精神病薬の投与量が多いほどコントラスト感度の低下が顕著であったことは、薬物療法の影響を考慮した視覚認知の評価が必要であることを示しています。

この研究は、統合失調症の視覚機能に関する理解を深めるとともに、今後の診断や治療の改善に貢献する可能性があります。

特に、コントラスト感度の測定が、統合失調症の診断補助や、病状の進行をモニタリングする指標として役立つかもしれません。

今回調査された研究は、治療中の患者が対象だったため、服薬による影響をもっと明確にするためには、未治療の患者を対象としたさらなる研究が必要になるでしょう。

統合失調症の相手の表情が分からないなどは、相手の感情への共感性の低下など心の問題から生じる印象がありましたが、実際は視界がぼやけるという生理的な問題で生じていた可能性があります。

認知が歪むなどの心の病特有の問題の一部は、精神の問題ではなくもっと明確な身体の症状から回復させられる可能性もあるかもしれません。

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こうした症状の特徴が明らかになっていけば、精神疾患の治療効果が高まり、本当に今までとは景色が違って見えるようになるのかもしれません。

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統合失調症患者は『光の強さを区別する能力』が低下していた! (2/2)のコメント

磁気閃光が見えているから色の変化に気が付きにくいのではないですか

20Hz 55Hz低周波で見える用ですけれど

強い電磁波に場苦痛委されても見える用です

Guest

「コントラストが低すぎる」と言う人がいる理由が今分かりました。ただ避けるべき。

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