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Credit: Ahmad Morsi
paleontology

恐竜亡き後のエジプトに君臨した「新種の頂点捕食者」を発見! (2/2)

2025.02.20 11:30:36 Thursday

前ページ3000万年前のエジプトに君臨した捕食者

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なぜバステトドンは絶滅したのか?

バステトドンを含むハイエノドン類は、当初アフリカで進化し、その後アジアやヨーロッパ、北アメリカへと拡散しました。

しかし約2500万年前を境に、その数は急激に減少し、最終的に完全に絶滅しました。

その理由については、これまでさまざまな仮説が立てられてきました。

一つは「環境の変化」です。

この時期、アフリカでは気候が乾燥化し、森林が縮小しました。

これにより、バステトドンのような大型肉食獣が狩りをするのに適した環境が減少した可能性があります。

また、新たな捕食者の台頭も影響を与えたと考えられます。

この時期、アフリカには現代の肉食獣の祖先が出現し始め、ハイエノドン類と資源を争って競争するようになったのです。

つまり、バステトドンは「環境の変化」「新たなライバルの登場」によって、徐々に衰退していったと考えられます。

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新種の頭蓋骨を発見したときの様子/ Credit: Professor Hesham Sallam

また今回の研究では、バステトドンの歯の構造を解析した結果、彼らが現代のライオンやトラと同じように「待ち伏せ型」の狩猟戦略を取っていた可能性が高いことも判明しました。

バステトドンの発見は、単なる新種の発見にとどまらず、3000万年前の生態系の謎を解き明かす大きな一歩となります。

環境の変化がどのように生物の運命を左右するのか。

そして、食物連鎖の頂点に立つ捕食者ですら、時代の流れには逆らえないという事実。

これらは現代の生態系にも通じる普遍的なテーマです。

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