猛暑が老化を加速させると判明
研究チームは、アメリカの暑さ指数を使用して、注意(32℃に達する日)、極度の注意(32~39℃)、危険(39~51℃)の順に暑さを評価しました。
また、短期間(直近7日間)・中期間(直近30日間)・長期間(直近6年間)の温度変化がDNAメチル化に与える影響を解析するために、統計モデルを用いました。
そして分析の結果、猛暑への曝露により老化が進むと分かりました。
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PCPhenoAgeでは6年間で生物年齢が 2.48 歳増加していました。
また、PCGrimAgeでは1.09 歳、DunedinPACEでは0.05歳増加しました。
つまり、暑い地域に住んでいる人は、6年間で6歳分の老化が生じるのではなく、最大8.48歳分の老化が生じる可能性があるのです。
では、猛暑が老化を加速させる背景にはどのようなメカニズムがあるのでしょうか?
研究者たちは、その鍵となる要因の1つに「DNAメチル化の変化」を挙げています。
まず、高温環境に長時間さらされることで体にストレスがかかり、それに適応しようとする生理的変化が生じます。
しかし、これが過剰になるとDNAメチル化の異常を引き起こし、結果的に老化が促進されるのです。
とはいえ、3つのエピジェネティック時計の変化が大きく異なる理由は正確には分かっておらず、今後の更なる研究が必要とされています。
猛暑は、私たちの老化を加速させる可能性があり、気候変動が進む現代において無視できない問題です。
適切な暑さ対策を講じることで、老化の進行を抑えることができるかもしれません。
水分補給や適切な空調管理、紫外線対策などを意識しながら、日々の生活の中で暑さへの適応策を考えてみてはいかがでしょうか。
面白い話ですね。日本で最も南に位置し、最も暑い沖縄県は、2000年くらいまでは、日本でもっとも長寿だったそうです。それが現在では、急激に悪化して下位に転落してしまいましたが、その原因は、暑さではなく食の欧米化だと言われています。暑さの影響を無視できるとは言いませんが、クーラーでリスクを最小限にできるようになった今、問題となるのは一体どちらなのでしょうか。この記事を読んだ皆さんには、ぜひ考えてもらいたいものです。