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Credit: Jan Szymański et Gabriela Prejs., Antiquity(2025)
history archeology

見る角度で表情が変わる「2400年前の人形」を発見!

2025.03.06 21:00:12 Thursday

中央アメリカ・エルサルバドルの古代遺跡で、驚くべき陶製の人形が発見されました。

なんと、この人形は見る角度によって表情が変わるというのです。

この発見を報告したのは、ポーランド・ワルシャワ大学(University of Warsaw)の研究チームです。

同チームはエルサルバドル西部のサン・イシドロ遺跡で、約2400年前の陶製人形を5体発掘しました。

一体どのような人形だったのでしょうか?

研究の詳細は2025年3月5日付で学術誌『Antiquity』に掲載されています。

2,400-year-old puppets with ‘dramatic facial expression’ discovered atop pyramid in El Salvador https://www.livescience.com/archaeology/2-400-year-old-puppets-with-dramatic-facial-expression-discovered-atop-pyramid-in-el-salvador Pre-Columbian ‘puppets’ indicate ritual connections across Central America https://phys.org/news/2025-02-pre-columbian-puppets-ritual-central.html
Of puppets and puppeteers: Preclassic clay figurines from San Isidro, El Salvador https://doi.org/10.15184/aqy.2025.37

見る角度で表情が変わる人形

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人形が見つかった遺跡の位置/ Credit: Jan Szymański et Gabriela Prejs., Antiquity(2025)

古代の人々が作った人形と聞くと、どんなものを思い浮かべるでしょうか。

素朴な形をしたお守りのようなもの?

あるいは、神々や祖先を象った彫像のようなもの?

しかし今回発見されたエルサルバドルの陶製人形は、これまでにあまり見たことのないような特異な特徴を持っています。

それは「見る角度によって表情が変わる」ということです。

研究チームによると、これらの人形を目の高さから見ると「怒っている」ように見え、上から見ると「微笑んでいる」ように見え、下から見ると「怯えている」ように見えるデザインが施されていたのです。

これは単なる偶然ではなく、意図的にデザインされたものだと考えられています。

なぜ、古代の人々はこのような人形を作ったのでしょうか?

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5体の人形/ Credit: Jan Szymański et Gabriela Prejs., Antiquity(2025)

エルサルバドルの遺跡と「ボリナス型人形」

この人形が発掘されたのは、エルサルバドル西部のサン・イシドロ遺跡

ここは、紀元前1000年頃から紀元後250年頃にかけて栄えた「前古典期」の都市遺跡のひとつです。

この遺跡で見つかった人形は「ボリナス型人形(Bolinas-type figurines)」と呼ばれるタイプのもの。

これまで、グアテマラの遺跡で類似の人形が見つかっていましたが、エルサルバドルで発掘されたのは今回が初めてです。

この発見により、当時のエルサルバドルがメソアメリカの広範な文化圏とつながっていたことが示唆されています。

また、これまで考えられていたよりも高度な芸術性と意図的なデザインが施されていたことも明らかになりました。

では、これらの人形は何に使われていたのでしょうか?

次ページ人形を作った目的とは?

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