合体中についでに遺伝子を分け合う……それが生殖のはじまり

これらの結果から、単細胞生物が厳しい環境で細胞融合を選択するのは、遺伝子組換えだけを狙ったわけではなく、「単に大きくなることで生存率を高める」という生理学的メリットが大きかった可能性が浮かび上がります。
実際、融合に伴うコストがかなり高くても、環境が十分に厳しい場合はそれを上回るメリットが得られるという点は衝撃的です。
これまで性の進化は“遺伝的多様性”を強調する理論が優勢でしたが、早期の性には「資源をまとめて生き延びる」という物理的な理由もあったと考えられるわけです。
さらに、環境が安定しているときは単純分裂で増殖しつつ、いざ飢餓に直面すると一斉に融合に踏み切る“可塑的な戦略”は、クラミドモナスや酵母など多くの単細胞生物の行動をうまく説明しています。
マルチセル化の研究でも、複数細胞が集まることで捕食や飢餓を回避する仕組みが注目されていますが、今回のモデルが示す単細胞間の“融合”現象は、それと類似した生存戦略をよりミニマルな形で表しているかもしれません。
もちろん、融合によって核や細胞質が衝突するリスクは依然として残りますが、それでもメリットが勝ってきたからこそ、長い進化の歴史を通じて「性」が失われずに残ってきたのでしょう。
今後は、複数の細胞が同時に融合するケースや、融合に失敗した際にどのような衝突が起こるのか、そして核融合と減数分裂がどのように連動していったのかなど、さらなる検証が待たれます。
環境ストレスと性との関連をより深く調べれば、単細胞の生存戦略のみならず、細菌や古細菌など他の生物で観察されるさまざまな“融合”の進化を探るうえでも大きな手がかりとなるでしょう。
私たちが当然のように享受している“性”が、実は「厳しいときほど一緒に巨大化して生き延びる」ための知恵だったとすれば、これまで当たり前だと思っていた生殖の仕組みが、まったく新しい観点から再評価されることになるかもしれません。
貧しい社会ほど婚姻が増えて子供が増えていく現象とも合致しますね。
つまり少子化対策で一番簡単なのは個体では生きていけないほど厳しい環境を作り出すことであると。
( ゚д゚)ハッ! つまり自民党の政策は少子化対策なのか。
減数分裂の起源とチャンスが見え隠れしているようです。遺伝子同士の衝突と妥協あるいは共存や調整が試行錯誤的に進行したのでしょうか? 異なるミトコンドリアか顔を合わせた時一方が引くというルールの起源も際限のない衝突調停の賜物でしょうか。面白い限りです。模擬実験の成果に感動です。
安直に少子化対策に結び付けようとする者が出てきそうだが、豊かになった人々がセックスに餓えてないとでも思っているのだろうか?
起源は起源、出口と入口を混同するのは具の骨頂である。
問題は豊かになった時、何を選ぶかにある。