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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

人間の言語能力が開花した年代をついに特定⁈ (2/2)

2025.03.18 06:30:35 Tuesday

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人間の言語は13万5000年前には誕生していた?

チームは過去18年間に発表された15の遺伝学的研究を統合し、現生人類の地理的分岐を詳細に解析しました。

この分析には、以下の3つの異なる遺伝的データが使用されています。

1:父系を通じて継承されるY染色体の解析研究(3件)

2:母系を通じて継承されるミトコンドリアDNAの解析研究(3件)

3:全ゲノムの解析研究(9件)

そしてこれらのデータを統合した結果、最初の大規模な人類の地理的分岐は約13万5000年前に発生していたことがわかったのです。

この時期を境に、現生人類の各集団が色々な地域に拡散し始めたと考えられますが、それと同時に、少なくともその時点ですでに人間に特有の言語能力の基盤が生まれていたのだと予想できます。

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Credit: canva

さらにチームは、言語がホモ・サピエンスの社会的行動にどのような影響を与えたのかにも注目。

考古学的証拠によると、約10万年前には異なる人間集団の間で、言語を使った象徴的な活動が広く見られるようになりました。

例えば、物への記号や図形の刻印、装飾目的で赤色顔料(オーカー)を使用する技術などの証拠があります。

これらの行動は現生人類が抽象的な思考を始めたことを示しており、それは言語の使用、それも特に他者とのコミュニケーションツールとしての言語の使用が普及し始めていたことを示唆するものです。

以上の結果から、人間に特有の言語能力の基盤は少なくとも約13万5000年前には誕生しており、そこから約3万5000年後には、社会的なコミュニケーションツールとして言語が一般的に使用されていたことが推察されました。

ただ今回の結果はあくまでも、人類の最初の地理的分岐から言語の起源を推定したものであり、正確な結果とは言い切れません。

人間の言語の起源にはまだ多くの謎が残されていますが、今回のように遺伝学的データも活用することで、言語能力の出現時期をより精確に推定できるようになるでしょう。

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人間の言語能力が開花した年代をついに特定⁈ (2/2)のコメント

ノリオ

喋りすぎると、昨今のオンラインや霊的な存在からは離れていくのでは?
シャカという人は言葉で法を説くけど喋り続けて覚者に至ることはなかったんじゃないのかと?

ゲスト

統一祖語に辿り着けないんですよね。
文法も語彙もまちまちですし。
移動を始める前に言語を使っていたのならこれらがあるはず。

ゲスト

特定?!
ってクエスチョンマークかい!!!!

morley

現生人類の使うような、高度な言語が始まった時期を特定するのは難しい。今回の研究も言語の共通祖先がいつ頃始まったかがわかっただけ(もちろん十分面白い発見だが)で、言語の始まりを特定できたわけではない。もしかしたら、現生人類の言語のどれとも違う系統の言語が存在していたが後に消失し、結果残っているのは13万5000年以降の言語系統のみというシナリオも考えられ、ロマンを感じる。

morley

発声による言語ではなく、抽象的な思考や象徴的な思考になるともっと古くからあった可能性が高い。実際ネアンデルタール人が埋葬や宗教的な文化を持っていた証拠があるし、その他のホモ属も最近似たような痕跡が見つかってきている。

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