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「バッテリーは使い切って充電してはダメ!」年配の人ほど勘違いしている技術の常識 (2/2)

2025.03.22 17:00:00 Saturday

前ページニッケル・カドミウム蓄電池とリチウムイオンバッテリーの違い

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バッテリーを長持ちさせるための正しい使い方

リチウムイオンバッテリーを長持ちさせるためには、いくつかの注意点があります。

まず、最も重要なのは、「過充電」を避けることです。

リチウムイオンバッテリーは、充電が100%に達した時点で充電を停止する設計になっていますが、長時間充電器に繋いだままにしておくと、微細な化学的変化が積み重なり、バッテリーが劣化する原因となります。

そのため、充電が完了したらすぐに充電器を外すことが理想です。

また、温度の影響にも注意が必要です。

リチウムイオンバッテリー内の化学変化は温度の影響を受けやすいため、極端な温度で利用すると急速に劣化が進みます。

そのため、夏場の暑い車内に放置したり、高負荷処理のかかるゲームを充電しながら遊ぶなどの行為はバッテリーの劣化を早める可能性があります。

逆に、極端に低い温度もバッテリーには良くないため、寒い場所に放置することも避けた方が良いでしょう。

劣化したリチウムイオン電池/Credit:Wikimedia Commons

そして、充電のタイミングについてですが、リチウムイオンバッテリーは「使い切ってから充電」するのは逆効果です。

前述したように、バッテリーは0%や100%の状態で長時間保持することが劣化を招きます。

そのため20%から80%の範囲を意識して充電を行うことが、最もバッテリー寿命を延ばす方法とされています。

さらに、リチウムイオンバッテリーは充電サイクルに限りがあるため、充電回数を減らすこともバッテリー寿命を延ばすことに影響します。

例えば、少し充電してすぐに使い切り、また少し充電するという頻繁な充電よりも、必要な時に一気に充電する方がサイクル回数が減り、結果としてバッテリーの寿命が延びます。

Credit:canva

とはいえ、リチウムイオンバッテリーの能力を調査した研究では、フル充電と完全放電のサイクルを400回繰り返すとバッテリーの容量が減り始めると報告されています。

使い切らずに充電するというスタイルを守っていれば、このサイクルにはかなり余裕が生まれると考えられます。

そのため、1~2年で買い替えを考えている人ならば、バッテリーの劣化が気になることはほとんどないでしょう。

特に電気自動車のバッテリーは、5000サイクル以上耐える設計になっており、過充電や完全放電することがほとんどないため、メーカーの想定よりもかなり長持ちすることが報告されています。

しかし、古い知識のまま利用していれば、バッテリーに無駄な負担を掛けることになるのは確かです。

まだ買い替えるつもりはなかったのにバッテリーの容量が目に見えて減ってきた、という状況を避けるためにはあまり負担を掛けない使い方をする方が良いでしょう。

技術の進化とバッテリー管理の重要性

技術は日々進化しており、新しい技術にはかつての常識が通用しない場合もあります

ニッケル・カドミウム蓄電池(通称:ニカド電池)のメモリー効果に苦しんだ時代から、リチウムイオンバッテリーの登場によって、私たちの生活は便利になりました。

しかし、技術の進歩とともに新しい知識も必要となり、古い常識をそのまま信じていると、誤った使用方法をしてしまうことになります。

リチウムイオンバッテリーのように、古い知識で使っていると、逆に寿命を縮めてしまう場合もあります。

技術の進歩により、デバイスの使い方やケア方法は変化していきます。

技術の常識は時代と共に変化します。知識をアップデートしていくことで、私たちはより快適で持続可能な生活を送ることができるでしょう。

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「バッテリーは使い切って充電してはダメ!」年配の人ほど勘違いしている技術の常識 (2/2)のコメント

ゲスト

充電回数も関係あるのか?
40%~60%の範囲に維持するのと20%~80%の範囲に維持するのは違うのか?

ゲスト

ニカド・ニッケル水素電池を電圧0Vまで使い切ると一発でダメになる。
一つのニッケルの粒に貯められる電力が同じで、ニッケルの細かい粒が結合してしまい、
ニッケルの粒繋がって大きくなってしまうが、一つのニッケルの粒に貯められる電力が同じなため。
電池を使い切ったと判断するのは、1.2V→0.7Vになったとき
過充電は熱で電池にダメージが入るが過放電に比べれはマシ
メモリー効果なぞ2回くらい充電放電すればすぐ直る。
数千円で、電池の容量や内部抵抗表示・放電・充電をしてメモリー効果除去できる充電器もあるので便利。

リチウムイオン電池も、一回でも0~2Vまで電圧が下がれば、ほぼ復活しない
18500というリチウムイオン電池を使った小型扇風機で使用後充電せず保管され
一夏すぎたら、次の夏の時に電圧0Vになってダメになっていた。
500回どころか、何回だっただろうかというレベル。ろくな保護回路なさそうな奴だったし。

スマホとかのリチウムイオンは、制御回路のおかげで、残量0%(2.7V) 100%(3.4V)の表示
回路によって2.7Vで放電を止めて3.4Vで充電を止めている
なので電源オフでもじわじわ電気が減るので、0%(2.7V)まで使って、スマホやスイッチを放置すると
2V以下になってしまい、すごく劣化する場合がある。
50%が理想的とされるけど、100%でもそれほど劣化しない、しかし電圧が下がりすぎると一発アウト

充電しようが放電しようが使っている間、電池は少しずつダメになる
どんな充電条件でも500回で寿命が来るわけではない。過放電で1回でほぼ終わるし。
500回充電ケーブルを抜き差しても電池寿命がくるわけではない。
メーカーが500回と言っているから、回数を減らしましょうは違う気がする。
500回というのはメーカーが性能を数字にするために、条件固定での寿命なので、
条件が変われば500回よりも増えたり減ったりするんじゃないの?
リチウムイオンは、メモリ効果がないから継ぎ足し充電可能というのが売り文句だし

「フル充電と完全放電のサイクルを400回繰り返すとバッテリーの容量が減り始める」
ということは「5割充電のサイクル何回で劣化するのか?」の検証がないと回数を減らした方がいいとは
言いきれない。

実際自分の使っているこまめに充電してるスマホは8年たっても衰えを見せないが・・
切れてから充電してた携帯の電池は割とすぐにダメになっている。

リチウムイオン内臓のタイプは、電池というより制御回路の性能差が大きいので
充電ケーブル繋っぱなしが多いと、半年で電池ダメになる機種さえある。
そんなの屁でもない機種のほうが多いけど。

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