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カシューナッツの「残りかす」に脂肪蓄積を抑制する効果があると判明 / Credit:Canva
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カシューナッツの「残りかす」に脂肪の蓄積を抑制する効果を発見!

2025.04.01 11:30:52 Tuesday

「カロリーが高く、食べれば太る」というのが常識のナッツ類ですが、そのナッツに“痩せる力”が秘められていると分かりました。

筑波大学に所属する礒田博子氏ら研究チームが、カシューナッツの3つの部位、ナッツ、果肉部位(果托)、そして殻の抽出成分が、脂肪細胞の成長を抑制すると報告したのです。

「脂肪を減らすナッツ」という発見は、単なる健康食品の枠を超えて、食の未来を変えるかもしれません。

また、これまで廃棄されていた部位を有効活用できる可能性もあります。

研究の詳細は、2025年1月10日付の学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。

Health Benefits of Cashew Nut Byproducts: Inhibiting Fat Accumulation https://www.tsukuba.ac.jp/en/research-news/20250307143000.html Cashew plant leftovers are very good at inhibiting fat cell growth https://newatlas.com/disease/obesity/cashew-plant-inhibition-adipocyte-lipid-accumulation/
Inhibitory effects of cashew Anacardium occidentale L. kernel, apple, and shell extracts on lipid accumulation and adipogenesis in 3T3-L1 adipocytes https://doi.org/10.1038/s41598-025-85727-3

カシューナッツの「残り物」の効果を検証

カシューナッツは、世界中でおつまみやお菓子に用いられる人気のあるナッツです。

しかし、その構造を知ると、実は「ナッツ」だけが主役ではないことに気づきます。

カシューナッツはカシューナットノキという木から得られますが、その木になる実は、ナッツ、カシューアップル、そして殻の3つの部位で構成されています。

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カシューナッツの実 / Credit:Canva

ナッツ(CK)は通常私たちが食べる部分で、硬い殻の中にある種子です。

カシューアップル(DA)はナッツの上にあるカラフルでジューシーな偽果(果托)で、実際には果実全体の90%以上を占めています。

殻つまりシェル(SH)はナッツを包む外殻で、通常は捨てられますが、実は強力な植物化学成分を含んでいます。

世界では大量のカシューナッツが生産されていますが、その副産物であるカシューアップルやシェルのほとんどが廃棄されています。

研究チームは、この大量に廃棄されている部位に着目しました。

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なじみ深いカシューナッツには「廃棄される部分」が多い / Credit:Canva

実は、これまでに行われた様々な研究が、カシューナッツにおけるカシュ―アップル、シェル、ナッツが人間や動物における脂肪蓄積能力を減らす可能性を示しています。

しかし、その詳細や脂肪細胞の分化に対してどのような影響が及ぶかは調査されていませんでした。

脂肪細胞の分化とは、前駆脂肪細胞と呼ばれる未熟な細胞が、脂肪を蓄積する能力を持つ成熟した脂肪細胞へと変化するプロセスのことです。

この分化の過程は、肥満の進行や代謝疾患と密接に関係しており、脂肪組織の増加に直結します。

そこで今回、礒田博子氏ら研究チームは、肥満の原因である脂肪細胞の形成と脂肪蓄積を抑える可能性があるかどうかをマウス由来の前駆脂肪細胞を使った実験で調査しました。

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