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自ら密度を増す超高強度の木材を開発 / Credit:Dafang Huang(Nanjing University)et al., Journal of Bioresources and Bioproducts(2025)
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【合金より強い木】プレスなしで「自ら密度を高める」超高強度木材が誕生 (2/2)

2025.04.01 18:00:34 Tuesday

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鋼より強く、釘にしても折れない「超ウッド」が誕生

新しく開発された「自己密化木材」がどれほど優れているのか、具体的な性能を見ていきましょう。

まず、引っ張り強度は496.1MPaに達しており、これは天然木材のおよそ9倍に相当し、アルミニウム合金と同程度の強度です。

曲げ強度は392.7MPa、衝撃靭性は75.2kJ/m²と、従来の木材の限界をはるかに超える性能を示しています。

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均等に収縮 / Credit:Dafang Huang(Nanjing University)et al., Journal of Bioresources and Bioproducts(2025)

とくに注目すべきは、木材がすべての面から内側に均一に収縮するため、元の木材の比率が維持されるという点です。

従来の方法では得られない、「全方向に対してバランスよく強度が高まる」という理想的な構造が実現できています。

まるで天然の木材が自ら鍛え直されたかのように、強度にムラがなく、どの方向からの力にも耐えることができるのです。

さらに、従来のようにエネルギーを大量消費する高温圧縮プロセスを必要としないので、より安価な材料になります。

加えてこのプロセスでは軽量性も維持することが可能です。

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自己密化木材で作った釘。スチール製より堅く、他の木材を簡単に貫通する / Credit:Dafang Huang(Nanjing University)et al., Journal of Bioresources and Bioproducts(2025)

そして研究チームは、デモンストレーションとして、この自己密化木材を使った「木製の釘」を試作しました。

この釘はスチール製の釘よりも硬く、下穴を開けずに木板に打ち込むことができ、しかも釘自体が壊れることはありませんでした。

この特性は、金属に代わる新素材としての可能性を大いに示しています。

環境負荷を低減し、持続可能な社会を目指すうえで大きな意味を持つでしょう。

将来的には、軽くて強い建築資材としての利用や、金属に代わる機械部品や工具、さらにはリサイクルが容易なエコ素材としての展開が期待されています。

人類が長い歴史の中で親しんできた「木」という素材が、科学の力によってまったく新しい段階へと進化を遂げようとしています。

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【合金より強い木】プレスなしで「自ら密度を高める」超高強度木材が誕生 (2/2)のコメント

ゲスト

言っても、どんな木でもこれが可能だとは書いてないからねぇ。
元論文見ても、実験に使った木は「basswood(カバノキ)」だと書いてある。特定の木でないとこれができないのならその木が育つような特定の気候帯の場所でしか伐採して利用できないわけで、結局それは現状の世界が石油やレアメタルを取り合っているのと同様な地政学的な問題に発展し、持続可能な社会にもならないし、環境負荷は増えるだけだろう。

    ゲスト

    中国発の開発や情報は欠陥ばかりであてになりませんね。

    ゲスト

    ケチつけるためにそこまで書いているのにカバノキの生息範囲調べなかったのか

    > 北米大陸のカナダ、アメリカ合衆国の他、ヨーロッパの広い範囲、東アジアなどに生息しており、非常に入手しやすい部類に属します。

    良かったね😀

ゲスト

セルロースナノファイバーを作る工程を応用してセルロースナノファイバーの塊を作ったという理解でいいかしら。
それなら金属超える強度持ってるのも納得ですね。

いとやん

断面形状が大きいと脱リグができない。おそらく、耐水性がないし、耐腐朽性も低い。実用的とは言えないかな。

    タナハシ

    金属は展性や延性、金属疲労なんかがあるけど、同等の非金属材料があるなそれらが欠点になるようなところで使えそうだね
    具体的には耐震耐風建築みたいな継続的に力が加わるところだろうか
    コンクリートみたいに流し込んで固くなるならすごく便利そうなんだけどなあ
    破断を制御できるなら、自動車の外殻にもいいかもしれない
    現状だとより柔らかい金属で衝撃を吸収するけど、潰れて挟まれるなんて事故も起きやすい
    衝撃によってうまいこと粉砕されて衝撃を吸収するなんてことができれば、乗用部分を強いフレームで守れるかもしれない

ともき

竹を同じように加工出来ないかな。

ゲスト

1930年代、航空機用ジュラルミン材に用いるアルミ不足が不足にしていたソ連で、ベニヤ板をフェノール樹脂に浸漬、加熱したものを積層することによって、260MPa程度の引っ張り強度を持つ強化木材が開発されたが、通常の木材の倍近い重量になってしまい、航空機の構造材として用いるにはあまりに重く限定的な使用に留まった、という話があるが、この強化木材はどうなのだろうか。

ゲスト

ダメ出しばかりでなく利点を挙げられる人間になりたいな

    ゲスト

    本当にね

    ゲスト

    杉みたいな成長が早い木を原料に出来るならかなりメリットありそう。
    今の鉄筋コンクリートマンションの建築費高騰を何とか出来るかも。

    ゲスト

    ダメ出しして可能性はないと切り捨てるのはかっこいいよね

ゲスト

これは面白い。
どういう原理で縮んで硬くなるのか。
勝手に縮んでくれるならその分の労力は要らんわけだし産業的に期待できそう。
まだまだ課題もあるだろうけどこれからの生活をどう変えてくれるのか楽しみ

ゲスト

元が自然素材だから強度がばらつくだろうなあ。古民家なんかはそのあたりを棟梁が加味していたらしいが…
どう使うかナニに使うか難しそうですね。

ゲスト

昨今の建築業界的には木材活用がトレンドですから、面白いですね。気になるのは加工性と粘り強さ、可燃性が、通常の木材と比べてどうかという点ですかね。

ゲスト

素晴らしい発明だよ。少なくともダメ出ししか出来ない人間よりは。

クアッドマン

日本も技術立国を世界に認知されるまでパクリ国家呼ばわりされてたな。
有象無象も多いのは事実だが、中華の最先端は日本を越え覇権を握りつつあるしっかり認識すべき
ノスタルジーじゃ日本は進化しない。

ゲスト

密度が上がって重く硬くなるならギターのネック用材としてibanezみたいに積層材の一部として使うのはありかも?
反りに強いなら使う価値はある

ゲスト

これはすごい
うまくいけば、建材にこれを使う事でカーボンニュートラルどころかカーボンネガティブまで狙えるな
それなら石油燃やしたい放題だwむしろもっと燃やせw
画期的発明

マッチャン

 自己密化の程度をコントロールできるのかな? そして、早期の実用化と普及を待ちたいな。
 用途はものすごくあるかと!
 実物を見てみたいし、触って見たいですね!

 どなたか身近で実物を再現してくれないかな。

ゲスト

スギで出来ればいいね。不燃化できたらなお良いけどそれは難しいのかな。合板の工程に入れて強化合板。脱リグニンと含浸の時間が面倒だし、そこで変形するから板材に仕上げるならやっぱりプレスしないとだし、スライスしたほうが短時間でできるから合板の工程との相性悪くないんじゃ?

ゲスト

脱リグニンが難しそう

ss

中国の「できました」と韓国の「できます」と日本の「できません」は信用するな。

    ゲスト

    犬猫の時間軸で見れば正解だけど
    それを人間の時間軸で固定化したから
    今の日本の衰退を招いた

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最初エイプリルフールかと思っちゃった。
部分的にリグニンを取り除く処理ってコスト的に安くできる(見込み)んでしょうか。
スピーカーとか作ってみたいなぁ……。

ゲスト

透湿性やシロアリへの抵抗力はどうなんでしょうね。
ここいら辺で良い数値なら、もしかしたら住宅建材にも使えるか。
あと、一般的には、密度が増したら重くなるような?

    hn

    非常に面白い内容だと思いました。
    木材業界に身を置いていますが、やはり費用対効果はどこも課題なので高強度低価格であれば建材として利点も多いかと思いました。
    一方解体やリサイクルの面ではどうなのか?といった課題はあると思います。

ゲスト

この素材で楽器作りたい

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