現代人を悩ます睡眠不足──その裏にある“習慣”とは?
眠りに悩む人が増えています。
日本の調査によると、成人の5人に1人が何らかの睡眠障害を抱えているとされています。
特に20代から30代の若い世代では、「睡眠の質の低下」や「睡眠不足」に悩まされている人が少なくありません。
こうした影響は、単に「眠い」だけでは済まされません。
集中力の低下や免疫力の低下、うつ症状の悪化や肥満リスクの上昇など、心身に及ぼす影響は計り知れないのです。

では、なぜこれほどまでに眠れていない人が増えているのでしょうか。
その原因の1つとして、近年特に注目されているのが「寝る直前のスクリーン使用」です。
スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどのデジタルデバイスは、ベッドの中でも当たり前のように使われています。
メッセージのチェックやSNSのスクロール、動画視聴や音楽鑑賞といった行動が、実は眠りを遠ざけているのです。
今回の研究では、その関係をより明確にするために、ノルウェーの大学生4万5600人(18~28歳)以上を対象に調査が行われました。
調査は全国規模で実施され、対象者は「夜、ベッドに入ってからスクリーンを使用するか」「どのくらいの時間使っているか」「その時間に何をしているか」といった質問に答えました。
同時に、不眠症状(DSM-5に基づく)や睡眠時間の自己申告データも収集されました。
研究チームは、これらのデータを統計分析することで、「スクリーン使用の有無、時間、活動内容」と「睡眠の質や不眠傾向」との関連を明らかにしようとしたのです。
特に焦点を当てたのは、SNSの使用と、それ以外の動画視聴やネットサーフィン、音楽、ゲーム、勉強といったその他の活動との違いでした。
これら2つの使い方の違いによって、睡眠への影響に差があるのかどうかが分析されました。
そして、驚きの結果が明らかになったのです。