ネアンデルタール人は「日焼け」で絶滅した?
この過酷な時代に、2種のヒト属がヨーロッパで共存していました。
一方はホモ・サピエンス(現生人類)、もう一方はネアンデルタール人です。
しかし約4万年前、ネアンデルタール人は突然姿を消しました。
その原因は完全に解明されていませんでしたが、今回の調査から、急激に強まった紫外線に対応できなかったことが大きな要因だった可能性が浮上しています。
実はホモ・サピエンスは、ちょうどこの時期から「仕立てられた衣服」を作り始めていたことがわかっています。
これにより肌の露出を避けて、紫外線から身を守ることができるようになりました。
さらに彼らは「オーカー(黄土)」と呼ばれる鉄を含む赤い顔料を肌に塗る習慣を発明したことが知られています。
近年の研究では、このオーカーに紫外線を遮る効果があることが実験的に示されており、現生人類は「服」と「日焼け止め」のダブルで紫外線から身を守ることができたと考えられるのです。

対してネアンデルタール人は、単純な布を巻き付けるような簡素な衣服しか持っておらず、加えて、日焼け止めのような対策も行っていませんでした。
その結果、紫外線による皮膚がん、視力障害、葉酸(ビタミンBの一種)の欠乏による出生異常など、健康被害が多発し、集団維持が困難になった可能性があるのです。
このようにしてホモ・サピエンスとネアンデルタール人の間に、生存率の大きな差が生まれたと予想されています。
今回の調査報告は、紫外線が強まった時期とネアンデルタール人が滅んだ時期が一致することからの相関関係を示したものであり、この説を正しいものとして証明するためには、さらなる調査が必要となるでしょう。
また現代に同様の地磁気エクスカーションが起これば、私たちの生活もただでは済みません。
通信衛星の障害、GPSや航空ナビゲーションの不具合、電力インフラへの影響、さらには宇宙飛行士への被ばくリスクも増大します。
今後も地磁気の傾きや強度変化は続くと予想されており、私たちもまた「科学技術という衣服」で紫外線から身を守る時代に備える必要があるのかもしれません。
逆に言うならそれがなければお互いはまだ共存していた可能性も?
かつての社会の教科書には、人類の進化の過程が示されており、類人猿→猿人→原人→旧人→新人となっていたのが、突如として旧人が省かれて原人から新人へと変わった。
不思議に思っていたが、今世紀になってから調査や研究が進み、旧人(ネアンデルタール人)が新人(サピエンス)に進化したのではなく、共存していた時期があることが分かったとのこと。
そもそもの絶対数がネアンデルタール人は少ない上、狩猟などで落命することも多く、結果サピエンスに吸収されるような形でいなくなったと解説されていたが、まさか紫外線にやられたとは思いもよらなかった。
いずれにせよ、頑強な身体をだったことが裏目に出た感はある。