親との感情的距離がある人は「子供を持ちたがらない」と判明
この調査に参加した人々のうち、約12%が自発的に「子どもを持たない」、いわゆる「チャイルドフリーを選択している」と回答しました。
では、なぜ彼らはその選択をしたのでしょうか。
調査の結果によると、子どもを持たない理由として「自由を保ちたい」「精神的な健康への不安」「世界の不安定さに対する懸念」「親としての責任への不安」などが挙げられました。
特に「自由を保ちたい」と答える人が最も多く、子供を持たないと回答した人の3分の2がこれを選びました。

また親に対する愛着スタイルが「回避型」である人ほど、子どもを持たない選択をする傾向があるということも分かりました。
親に自分の気持ちを理解されなかった経験がある人や、親から愛情を十分に感じられなかった人は、自分が親になること自体に抵抗感を抱きやすい傾向があるようです。
ここで注目すべきなのは、「回避型」の愛着スタイル、つまり「親との感情的距離がある」人ほど、子供を持たない理由として「自由を保ちたい」と回答する人が多かったという事実です。
親と十分な愛着関係を築けなかった人々は、幼少期に「自分は他人に頼ってはいけない」「一人でなんとかするしかない」という信念を抱きやすくなります。
その結果、誰かに依存される状況、つまり親になることを本能的に避けようとします。
つまり、子供を持たずに自由を保ちたいという願望は、実は幼少期に形成された「親に頼れないから、自分で何とかするしかない」という深層的な自己防衛から生じている可能性があるのです。

ちなみに不安型の人たちは、回避型の人たちとは違った傾向を示していました。
彼らは、「自分は子育てに向いていない」「子どもを傷つけてしまうかもしれない」といった自責的な理由を挙げる傾向がありました。
研究でチームが述べるとおり、今回の研究は、「親への回避型の愛着スタイル」と「子供を持たないこと」について、因果関係ではなく、あくまで関連性を示すものにとどまっています。
その関係は複雑で双方向性がある可能性もあります。
つまり、「子供を持たない選択をすることで、親との感情的な距離ができる」可能性もあるわけです。
それでもこうした研究は、「子供を持とうとしない人が多い」という課題に取り組むうえで、重要な観点を与えてくれます。
まず目を向けるべきなのは、現代の親と子供の関係であり、そこを改善することが、いずれ出生率の増加に繋がっていくのかもしれません。
子供を持つことが産む側にとって何の利益にもならないのですから持たないのが普通なんですよね。
持ってる方が異常なんですよ。
そういう意味では少子化というのは異常だった社会がどんどん正常になっていっているということでもあるわけでして、喜ばしいことなんです。
正しいことが正しいわけでは無い、それだけのことなのですね。
正しさを過剰に求める社会はその正しさによって滅ぶわけです。