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親と感情的な距離がある人は「子供を持たない」選択をしがち / Credit:Canva
psychology

「親との感情的距離が遠い人」は子どもを持ちたがらないと判明 (2/2)

2025.05.06 11:30:15 Tuesday

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親との感情的距離がある人は「子供を持ちたがらない」と判明

この調査に参加した人々のうち、約12%が自発的に「子どもを持たない」、いわゆる「チャイルドフリーを選択している」と回答しました。

では、なぜ彼らはその選択をしたのでしょうか。

調査の結果によると、子どもを持たない理由として「自由を保ちたい」「精神的な健康への不安」「世界の不安定さに対する懸念」「親としての責任への不安」などが挙げられました。

特に「自由を保ちたい」と答える人が最も多く、子供を持たないと回答した人の3分の2がこれを選びました。

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親との関係が「回避型」である人は、子供を持たないことを選ぶことが多い / Credit:Canva

また親に対する愛着スタイルが「回避型」である人ほど、子どもを持たない選択をする傾向があるということも分かりました。

親に自分の気持ちを理解されなかった経験がある人や、親から愛情を十分に感じられなかった人は、自分が親になること自体に抵抗感を抱きやすい傾向があるようです。

ここで注目すべきなのは、「回避型」の愛着スタイル、つまり「親との感情的距離がある」人ほど、子供を持たない理由として「自由を保ちたい」と回答する人が多かったという事実です。

親と十分な愛着関係を築けなかった人々は、幼少期に「自分は他人に頼ってはいけない」「一人でなんとかするしかない」という信念を抱きやすくなります。

その結果、誰かに依存される状況、つまり親になることを本能的に避けようとします。

つまり、子供を持たずに自由を保ちたいという願望は、実は幼少期に形成された「親に頼れないから、自分で何とかするしかない」という深層的な自己防衛から生じている可能性があるのです。

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幼少期の「親に頼れない」環境が、将来の「子供を作らない」に繋がっているのかも / Credit:Canva

ちなみに不安型の人たちは、回避型の人たちとは違った傾向を示していました。

彼らは、「自分は子育てに向いていない」「子どもを傷つけてしまうかもしれない」といった自責的な理由を挙げる傾向がありました。

研究でチームが述べるとおり、今回の研究は、「親への回避型の愛着スタイル」と「子供を持たないこと」について、因果関係ではなく、あくまで関連性を示すものにとどまっています。

その関係は複雑で双方向性がある可能性もあります。

つまり、「子供を持たない選択をすることで、親との感情的な距離ができる」可能性もあるわけです。

それでもこうした研究は、「子供を持とうとしない人が多い」という課題に取り組むうえで、重要な観点を与えてくれます。

まず目を向けるべきなのは、現代の親と子供の関係であり、そこを改善することが、いずれ出生率の増加に繋がっていくのかもしれません。

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「親との感情的距離が遠い人」は子どもを持ちたがらないと判明 (2/2)のコメント

ゲスト

子供を持つことが産む側にとって何の利益にもならないのですから持たないのが普通なんですよね。
持ってる方が異常なんですよ。
そういう意味では少子化というのは異常だった社会がどんどん正常になっていっているということでもあるわけでして、喜ばしいことなんです。
正しいことが正しいわけでは無い、それだけのことなのですね。
正しさを過剰に求める社会はその正しさによって滅ぶわけです。

    ゲスト

    個人的な感覚で言うと、与える側にならないと人は幸福になれないと思うけどね
    SNSなんかで承認欲求を満たすべくあふれている人々を見ていると、家族こそが自分の資産なのにと言いたくなる
    持つのが異常であれば、異常が続いて今ここに我々は存在している
    たった数十年を生きた人間の普通と、数千年の異常を比較するならば数十年で語るほうが異端だろう
    本当の異常は、持ってる方が異常であるとさせる金銭的な事情など様々な社会による締め付け
    正常を異常と錯覚させる世の中は、それこそ滅亡という形でその結果を証明することだろう

    もも

    なるほど、そんなあなたはどうですか?
    仕方なく子供を授かっているのでしょうか。

    私は結婚、まさか子供なんてと思って生きていました。

    ニャンコ飯

    生き物にとって、子を持つことは種の保存して、普遍的だと思うので、「利益にならない」が偽。
    「持たないが普通」も同様に偽。
    「持ってる方が異常」も同様に偽。

    後半の文章は、抽象度が高いので、文意を推測しながら検討する。
    「正しいことが正しい訳では無い。」は、「子供を持つことが必ずしも利益があるわけではない」とる捉える。これはあり得ると思う。

    「正しさを過剰に求める社会はその正しさによって滅びる」は、「子供を持つことを過剰に求める社会は、求める事で滅びる。」と捉える。別に社会は、子供を持つ事をそもそも、過剰に求めていないと思う。
    仮に求めているとして、それによって、少子化がおきてるとは思えない。

    文章を書いた人は、誰かから、子を持つ事を求められており、それを本人は嫌がっている。
    その理由づけとして、主観的な文章を書いたのだと想像する。

    はる

    このコメントは、「子供を持つことは利益にならない」「子供を持たないのが普通であり、持っている方が異常」といった強い断定に基づいています。しかし、このような主張にはいくつかの問題があります。

    まず、「子供を持つことが産む側にとって利益にならない」という点について、生物学的・社会的な観点から見れば必ずしもそうとは言えません。たとえば、家族の絆、老後の支え、遺伝子の継承など、多様な形の“利益”が存在し得ます。もちろん、子を持たないことを選ぶ自由は尊重されるべきですが、それを“普通”とし、“持っている方が異常”とするのは論拠に乏しく、バイアスが強い表現です。

    次に、「少子化は正常化であり、喜ばしいことだ」との主張については、少子化による社会的な影響――労働力の減少や社会保障制度への負担など――を無視しています。少子化が“異常だった社会”の是正とは必ずしも言えず、構造的な課題として慎重に捉えるべき問題です。

    後半の「正しさを過剰に求める社会は滅ぶ」という表現は、一見深遠に見えるものの、文脈がやや不明瞭です。「正しさ」が何を指しているのか明確でなく、読み手によって解釈が分かれる曖昧さがあります。仮に「子を持つことこそ正しい」とする価値観への反発を指しているとすれば、それは一つの視点として理解できますが、全体として説得力に欠けます。

    総じて、このコメントは個人的な感情や経験に基づいたものと見受けられます。社会全体の流れを論じるには、より多角的な視点と事実に基づいた論拠が必要です。

    ゲスト

    この記事の論点にかすってもいない

    ゲスト

    人間含めて生き物は子供を残して世代交代しながら生き続けることを目的とした存在なのだから、産むことに利益がないという主張がそもそもおかしい。

    ゲスト

    人間含めて生き物は子供を残して世代交代しながら生き続けることを目的とする存在なのだから、子供を産むことに利益がないという主張がそもそもおかしい。

ゲスト

非常によくわかる。自分は完全にそのパターン。
両親に自分を理解してもらった・助けてもらったことは一度もないですし、両親のことも含め何もかも自分がなんとかしなければならないと感じます。
(両親の人間性に問題があったというよりは、ただただ能力が足りなくて子供を理解したり助けたりする余裕がなかったのだと思います)
普通の人たちは親に助けてもらったり家族で協力する感覚が本当にあるものなんですかね?どういう感じなのか全然ピンとこないんですよね…。

    ゲスト

    回避型まんまやな。少なくとも心理的感情や思考については一ミリも理解してもらえなかったし父親には基地外扱いされてたな。父親は他人を見下して馬鹿にするのが生き甲斐みたいな人間だし、本当に親との関係は悪い。
    大学受験に際して金銭的には一部出して貰った、というから親戚から借金してきただけなんだよな…。親父が無職の時期だったからな。
    参考書代は全部自分のバイト代から出してたし、3年次の学費は自分で払ってた。

ゲスト

書いてあることが、頭では理解できるけど、気持ちとして全然ピンとこなかった。。

子供を産むことに、何のメリットもない、というコメントがとてもショックだった。
子供は、いてくれるだけでこんなに幸せをくれるのに、コメ主にはその感情が全くわかない、ということなのかな?
家族も、メリットとかデメリットとかじゃなく、存在自体が幸せをくれる大切な人達だと思う。
結婚して子供を持ったら、その大切な存在が増えて、幸せが増えていく、という感覚が、わかないのかな。。

子供がいらない、という人が友人にもいて、いないならそれはそれで幸せそう!(時間とお金を子育て以外に使えるから)と思ってるんだけど、もしその友人の心の中が、そんなに冷え切っているのだとしたらとても悲しいと思った。

どっちを選んでもいい世の中なのだから、産んだって産まなくたってどっちでもいいと思うけど、もし、子供を持つメリットが・・・というコメ主のような人が世の中にたくさんいるなら、そんな気持ちにさせる世の中は変わっていかなきゃいけないと思う。
し、それに親との関係性が影響してるのだとすると、今までの子育てって、何か間違えてたんじゃないの?もしくは、時代にあってないんじゃないの?時代に合わせて変えていく必要があるんじゃないの?
(親も、その親の親も・・・愛着に問題を抱えていて、負の連鎖になってる、みたいなことなんじゃないの?)

今、まさに子育てしている人は、私を含めて、子供の心に気持ちを傾けて、安定した愛着を持たせてあげられるように配慮して生活していかなきゃいけないな、と思った。

    ななし

    負の連鎖になってる親子関係も多いと思いますよ。
    家族が幸せをくれるとも限らないんですよ。
    世の中とか教育とか子育てとかを変えるのは難しいので、自分で終わらせるのが楽なんですよ。

    ゲスト

    他人も自分と同じように考えているはずって思い込みをしている時点で、どちらかというとあなたの方が異常です。
    何に幸せを感じるかは人それぞれ。
    子供がいるだけで幸せに感じる人もいれば、不幸に感じる人もいれば、何にも感じない人がいます。
    そうやって自分の考えが、世界の当たり前と思って生きてこられたなら、恐らくは沢山の人を無自覚に傷付けて生きてこられたんでしょうね。あなたご自身は親切や共感のつもりで。ご自身の言動で傷付いている事に気付く事もなく。
    その事実こそにショックを受けられるべきかと。

回避型です

親に頼りたくない、と思い続けて感情的な距離は無限大だから
当然子供はこの世に生を受けるだけでかわいそうだと思ってる
だから自分が子供を持とうとしないのは当然

    ゲスト

    素直にめんどくさいから嫌だと言えばいいよ。
    ネットで顔と名前も分からないんだし何の不利益もない。

ぴよ

子供が幸せをくれる? とか言ってる人いますが、、あ、そうですか、それは『あなたの感想』であり他人もそうあるべき、そう感じないのは哀れ みたいな発想、本当気持ちが悪いです。
私は子供をはじめ、あらゆるうるさいものが苦手です。が、その事が原因で人に迷惑などはかけていません。
子持ちは、自分らの考えを肯定し、子嫌い(他人)を否定してくるような、気持ち悪い人が多いですよね?何故ですか?
不幸にも、そういう『気持ち悪い』人の遺伝子は増殖し続けているんですよね、、。うんざりです。

自分も回避型ですね

子供を持つと言う前に結婚が難しい。僕は友達と過ごすのもあまり得意ではなく、一人でいたい。干渉されたくない。回避型なのだなと思いました。
母親は波風立てたくないタイプで何がしたいのか分からない。過適応タイプ。父とも深い話はしたことなかったか。
そんで僕自身も過適応タイプです
適切な自己主張ができる人が周りにいなくて、良い師に出会わなかったんだな。結局全ての人が敵のように無意識的に思ってるようです
そりゃだれも信頼できないか

たたん

親と暮らしていた時に「自分は不要な人間なんだな」と感じていると「子供は可愛い、居たら幸せになれる」とは考えつかないですよね。
「自分はこの世に必要な存在なんだ、生きていて良いんだ」という自覚が無いと子供は生めないと思います。
生まれてきて1度も幸せだと思ったことが無いので子供が生まれてくるのが可哀想に思います

回避型です

元は安全型→不安型→現在です。
変わった理由として環境の変化や、とても嫌な出来事があります。
同じように環境が安心できる場所や心理的に満たされる、負担がなくなれば、子供を持つのも悪くないかなと思えるかもしれません。
何が幸せかは、その時によって皆違う筈です。
それを押し付けるのは、自分が優越感に浸りたいか、相手を傷つけたいかのどちらかだと、そう思います。

えんげ

私は回避型で子供なしですね。そうなった理由は色々あるので割愛しますが、記事のネタは興味深いですね。
元々ヒトが集団社会を形成するのに信頼のコミュニティー形成が必要というのを間接的に示唆する内容だと思いますが、単に少子化にとどまらず核家族化も似た過程を経ているのかもしれませんし、なぜこうなったのところに文化として認知されているの親子間の関係性が、一周回って文化の破壊者になってる可能性もあるわけで。
思考を深めるいい記事だと思います。

金がない

就職氷河期世代なのでもう年齢的に出産が難しい身です。なのでもう関係ないっちゃ無いですけど。まず適齢期時代の前提条件が「結婚する金も出産する金も無い」なんですよね。愛する相手はいても現実はろくに連絡する暇さえも無いし。1日1食で今日自分の命をつなぐのもギリギリなのにパートナーや子どもなんて非現実的でイメージもできません。そんな私に親は「自己責任」の一点張り。弟達が就職、結婚、出産。その度にめでたく愉快にカツアゲされます。所持金ゼロの時は無理やり借金させられて祝い金を作らされました。借金せずに絶えず金を渡し続けるために働いては右から左。しかも年長者は今までもこれからもずっと下に与える一方で貰える事は永久に無い。「そういうものだから」という両親。こんな救いの無い世界に産み落とすなんて残酷なこと私には無理です。子孫繁栄とかそういうのは生きるのが楽しい人だけやってればいいと思います。できたらその度に知人や身内に「ご祝儀」って名目の愉快なカツアゲするのやめてくれると尚良し。

    ゲスト

    よくわかります。
    親世代、たまたま上手く行った方々の絶対的な価値観が、たまたま上手くいかなかった人たちを苦しめる。
    少しくらい話を聞いてくれても良い。しかし本当に話を聞かない。
    ので、こちらも諦めたり強硬にならざるを得ない…

Morley

人間は大脳が中途半端に
発達してもうたんやな

本当の家族が分からない

私は、生まれてから(41年間?)生きて来ました。私の育ての親(?)は私が地元を離れてから、余り連絡をくれません。私は18年間本当の家族かどうかも分からない家庭で過ごして来ました。正直、全く良い事はありませんでした!それで、地元を離れ、県外へ行きました。地元を離れる前からメル友としてメールや電話をしていた人の所へ行きました。それから約24年、旦那はお金遣いが荒く、私は不幸な日々を過ごして来ました!なので、私は、子供は絶対に欲しくないです!産めば良いと言う訳ではなく、ちゃんと産まれて来た子供に愛情をそそげなければ、その子供が大きくなって大人になった時、「本当に自分は生まれて来て幸せなのか?」と思います!私は自分の子供に同じ思いをさせたくありません!そう言う親のもとで育った子供が事件を起こしたり、非行に走ったりするのではないでしょうか?だから、子供を産む産まないの前に、大人、もっと言えば、社会が変わるべきだと私は思います!何でもお金で解決するような、政治家も私は許せません!

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