画像
空気中から水を集めるスポンジ素材を開発 / Credit:RMIT University
science

【電気不要】空気から飲料水を生成するスポンジ素材を開発【太陽光をあてるだけ】 (2/2)

2025.05.09 20:00:06 Friday

前ページ電気不要!空気中から飲料水を集めるスポンジ素材を開発

<

1

2

>

必要なのは太陽光だけ!夜に水を集め、昼に放出することに成功

画像
試作品。内部にスポンジ素材が入っている / Credit:RMIT University

実験の試作品はカップ型の容器で、底にWLG-15素材の小さなブロックを並べてセットしています。

カップのフタが開いていると大気中の分を吸収し、透明なフタを閉めて日を当てると水がカップ内に放出される仕組みです。

具体的には、夜の間フタを開けておくと、この素材が空気中の湿気をじっくりと吸い込みます。

朝になってフタを閉めると、太陽が昇るにつれて、ドーム型のフタが太陽熱による蒸発を促します。

そして素材から水分が蒸発すると、放熱プレートやソーラーパネルで駆動する冷却ファンによって結露が促され、水滴となってカップ底に落ちるのです。

室内実験では、この試作品が、温度25°C、湿度90%の環境で、1gの素材が空気中から約2mLの水を吸収。

太陽光下で10時間以内にほぼすべての水を放出したと報告されています。

小さな素材のブロック9つ(合計約7.2g)を使った実験では、約15mLの水を得ることができ、少量ながら実際に飲料水として利用できる水量を回収できたとのことです。

画像
空気中から飲料水を得ることに成功 / Credit:RMIT University

耐久性もある程度確認されており、-20℃で20日間保管した後も性能には変化がありませんでした。

また、10サイクル連続で使用した場合でも性能は安定しており、吸水効率の低下は12%未満でした。

この新しい新素材「WLG-15」は、従来の方式に比べ、外部からの電気を必要とせず動作する点が大きなメリットです。

また低コスト・環境負荷の低い設計であり、携帯性にも優れています。

そのため、災害時の緊急給水や乾燥地域でのオフグリッド給水、アウトドア活動での携帯型ウォーターサーバーとしての活用が期待されます。

研究チームは、湿度や温度、太陽光強度を監視するIoTセンサーを利用した自動制御システムを開発することで、集水サイクルをさらに最適化できると考えています。

「水も電気もない場所で、空気から飲料水が得られる」

そんな夢のようなアイテムが、部分的にとはいえ、既に誕生しているのです。

<

1

2

>

【電気不要】空気から飲料水を生成するスポンジ素材を開発【太陽光をあてるだけ】 (2/2)のコメント

ゲスト

湿度が低いとこだとどうなんだろ

ahondara

除湿器になるね

ゲスト

安く大量に作れそうに見えますね
素晴らしい技術

おじさん

これって吸湿素材と太陽光で発熱する素材の他に放熱プレートとソーラーパネルと冷却ファンが必要ってことでしょ。普通に加熱と冷却で直接結露させた方が高効率な気がするけど。10時間で15mlってw。25℃で湿度90%の理想的環境なら、凍らせたペットボトルだけでも100mlくらいとれると思うが。

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

サイエンスのニュースscience news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!