指のシワは「進化の賢いデザイン」だった⁈
また近年の研究で、指のシワが単なる生理現象ではなく、進化の過程で獲得された適応的な特徴であることもわかってきています。
指が水に浸かると交感神経が血管を収縮させ、シワが形成されます。 これは水分による膨張ではなく、神経による積極的な制御による現象です。
ニューカッスル大学(Newcastle University)の研究では、シワのある指は濡れた物体をつかむ際の滑り止め効果を持つことが実験で示されています。
これはちょうど自動車のタイヤの溝が雨水を排出してグリップ力を高めるのと同じ理屈です。

人類の祖先が湿地帯や川辺などの濡れた環境で食料や道具を効率よくつかむために、この仕組みは進化的に有利だったと考えられます。
現代でも、濡れた食器や道具をつかむときに指のシワが役立っている可能性があります。
このように、指のシワは単なる偶然ではなく、「生存のための知恵」が形となったものだと考えられています。
今回の研究により、日常のなにげない現象である「指のシワシワ」に秘められた科学と進化のロマンが明らかになりました。
今後、お風呂場などで指にシワシワができた際は、それがいつもと同じパターンかどうか確かめてみると面白いかもしれません。
水でふやけたんだと思ってたからびっくり!