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Credit: 熊本大学 – 日本初、翼竜類の新属新種命名(2025)
paleontology

ついに⽇本初となる「新種の翼⻯」を発見! 「ニッポノプテルス」と命名

2025.05.14 20:00:59 Wednesday

恐竜時代の空を支配していた「翼竜」。

日本ではこれまで断片的な化石しか見つかっていませんでしたが、ついに“日本初”の新種が発見されたようです。

研究を行ったのは、熊本大学や北海道大学を中心とする国際研究チーム。

この翼竜は日本で見つかったことから「ニッポノプテルス・ミフネンシス(Nipponopterus mifunensis)」と命名されています。

研究の詳細は2025年3月号の科学雑誌『Cretaceous Research』に掲載されました。

日本初、翼竜類の新属新種命名 https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/sizen/release20250513
Reassessment of an azhdarchid pterosaur specimen from the Mifune Group, Upper Cretaceous of Japan https://doi.org/10.1016/j.cretres.2024.106046

日本で未発見だった「新種の翼竜」

空飛ぶ爬虫類「翼竜」の骨格は細く華奢なつくりをしているため、他の陸生恐竜たちに比べると、発見された化石記録があまり多くありません。

日本国内では、北海道、岩手県、富山県、石川県、岐阜県、兵庫県、長崎県、熊本県、鹿児島県から断片的な化石が知られているのみで、国内で産出した化石から新種の翼竜が命名されたケースは一度もありませんでした。

そんな中、熊本県の南方に分布する後期白亜紀(約1億500万~6600万年前)の地層「御船層群(みふねそうぐん)」は、翼竜発見の有力な候補地として注目されています。

御船層群では1993年、河床から翼竜の指骨が発見され、続いて1996年には頸椎骨も確認されました。

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見つかっていた化石の3次元デジタル画像/ Credit: 熊本大学 – 日本初、翼竜類の新属新種命名(2025)

しかし当時は世界的にも翼竜研究が進んでおらず、この標本の正体は長く「種不明」とされてきました。

今回、最新のCTスキャン技術や204種・533項目におよぶ大規模な比較研究によって、ついにその正体が解き明かされたのです。

次ページついに日本初の新種を発見!

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