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クジラの骨で作った穂先/ Credit: Alexandre Lefebvre(2025)
history archeology

「クジラの骨」で作った2万年前の武器を発見!鯨漁が発明される以前の遺物 (2/2)

2025.05.28 12:00:31 Wednesday

前ページ2万年前にクジラの骨で道具を作っていた

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当時の生態系についても知見も

また今回の研究は、人類が2万年前からクジラの骨を道具に使っていたことを示すだけでなく、当時の北大西洋の海に多種多様なクジラが生息していたことも示す貴重な証拠です。

研究者はこう話しています。

「私たちが確認したマッコウクジラ、シロナガスクジラ、ナガスクジラはいずれも現在の北大西洋にも分布しており、その意味では意外ではありません。

ただし、氷河期の末期と現代とでは環境条件が大きく異なるにもかかわらず、クジラの分布が今とほとんど変わっていないという事実は非常に興味深いものでした。

その一方で、当時ヨーロッパの大地に生息していた陸上の偶蹄類は、トナカイ、サイガ、バイソンなど、現代の西ヨーロッパにはもはや見られない動物ばかりです」

つまり、陸上の生物種はこの2万年間で大きく変わったものの、クジラたちの分布はほとんど変わっていなかったのです。

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クジラの骨で作った穂先/ Credit: Alexandre Lefebvre(2025)

今回の発見が教えてくれるのは「道具とは、記憶の化石」であるということです。

2万年前の人類は、海のほとりで巨獣の死を見つめ、骨を拾い、削り、暮らしに役立てていました。

現代のような船も網もない時代に、クジラの恵みは波によって運ばれ、打ち上げられ、偶然の産物として人のもとに届いていたのです。

その骨は道具となり、文化となり、そして今、私たちに「過去の記憶」について語りかけてくれています。

人類はずっと昔から、海とともに生きてきたのです。

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「クジラの骨」で作った2万年前の武器を発見!鯨漁が発明される以前の遺物 (2/2)のコメント

ゲスト

武器…?狩猟具じゃなくて?武器として使用された時代だったの?
道具が記憶の化石であると言うのは大いに同意するけど、それなら正確性を重視しないと記憶の改竄になっちゃうんじゃないですか?
スズメバチの動物の捕食、って記事も同じライターさんだったと思うけど、表現誇張し過ぎじゃないか

    ゲスト

    よくわからんけどこんなもんじゃないだろか?
    小ネタ的な記事にそこまで目くじらを立てることもないような

    逆に狩猟具は抽象的過ぎると言うか補助ツール的な集合を強く含むのであんまりしっくりこない
    ただ例えば、戦争みたいな文化を頭に置いてる人にとっては武器=対人用途的なイメージを持ってるかもしれないが、それも何かおかしい気がする

    まあスズメバチの捕食(=食事に含まれていただけ)の方は変だと思うけど
    この定義だとうちのわんこが牛を捕食したことになってしまう

    ゲスト

    狩猟採集社会では所有の概念が希薄だったので、戦争のような他集団との争いは少なかったと考えられていますが、それでも希には戦争の類が起きる事もあったでしょう。
     また、猛獣に襲われて家族や自身の身を守る必要が生じる事もあったはずです。
     そのような場合には槍が武器として使われた事は想像に難くありません。
     但し、それはあくまで「武器として使う事も可能なもの」を武器として使ったというだけの事に過ぎず、当時の槍の主な用途はあくまで狩猟用であり、それを武器と呼ぶのは、棍棒としても使えるゴルフクラブや野球のバットを武器と呼ぶようなものです。
     農家の納屋に草刈り鎌が仕舞われている事を「あの納屋には武器が保管されている」とは言いません。地面に太い木の枝が落ちている事を「武器が落ちている」とは言いません。
     それと同じ事です。

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