画像
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
geoscience

森の緑が濃くなると「火山噴火が迫っているサイン」となる可能性 (2/2)

2025.06.02 12:00:08 Monday

前ページなぜ緑が濃くなると、火山噴火が近いのか?

<

1

2

>

実際に観測してみた結果

この仮説が科学的に裏付けられたのが、2024年に発表されたイタリア・エトナ火山での研究です。

チームは2011年から2018年の間に撮影された衛星画像を用い、エトナ火山の周囲の植生の色合い(NDVIと呼ばれる指標)を詳細に解析。

そして火山周辺に設置されたCO₂観測装置(EtnaGasステーション)のデータと照合した結果、マグマが地下から上昇してくるタイミングでCO₂放出量が急増し、それに連動して木々の葉の緑色が顕著に濃くなっていることが判明したのです。

特筆すべきは、こうした「緑の増加」が火山本体から30メートル以上離れた場所でも観測された点でした。

つまり、火山のごく周辺だけでなく、ある程度広範囲にわたって植生の変化が起こることで、早期に異変を察知できる可能性があるのです。

画像
エトナ火山/ Credit: ja.wikipedia

2025年3月にはNASAとスミソニアン協会による航空観測ミッション「AVUELO」も実施され、パナマやコスタリカの火山地域にて、研究機に搭載された分光装置が植物の色を分析。

並行して現地では研究者が実際に木の葉を採取し、CO₂濃度と照らし合わせる精密な検証が行われました。

このように生態学・気候科学・火山学という異なる分野の知見が交差することで、「森の色」を“地下の異変”のセンサーにするという試みが現実味を帯びてきています。

もちろん課題もあります。

火山地域によっては十分な植生がない場合もあり、また火災や病害、気候異常が植物の色に影響を与える可能性もあります。

すべての火山に適用できる万能な手法ではありません。

それでも、既存の地震・地盤・火山ガス監視に加え、「森の緑」という自然が発するサインを取り込むことで、より早く、より広範囲に、火山災害への備えを強化できる可能性があるのです。

<

1

2

>

森の緑が濃くなると「火山噴火が迫っているサイン」となる可能性 (2/2)のコメント

表示不要

「火山本体から30メートル」は誤記だろ?

名無し

火山だなんて規模で特筆すべき点が30m離れた場所で変化が見られた、?
3km先とかなら未だ分かるけど30mって民家に置き換えて考えても隣近所じゃね?この記事に意味は…笑

ゲスト

母が九州は緑が濃くて本州と明らかに違うと言っているのですが、それってこれだったりするのですかね。
あそこずっと噴火してますし、地域全体が火山みたいなものですし。

ゲスト

実際の写真での比較が欲しい

ゲスト

volcano-tectonic structures を火山本体と訳すのは雑。でもどう訳すべきかは俺にも分からない。火山地殻構造と直訳した所で具体的に何なのかさっぱり。

ひこさん。

わたくしが、思うには、人は、コノダと言うジレンマつまり、アタハターの、様な、イグラン化するのは、見えていて、そしてその過程とは、クモリダースの、チョコと言い、そしてその浪速とは、わたくしでした。以上。クモランカー以上です。

ゲスト

多分30mで合ってる。
CO2ってすぐに拡散するから数mも離れたら計測不能なレベルで狂うのに、対象から30m離れてても有用なデータが取れるくらいに観測可能って事で画期的って事じゃね?
これまでは研究員が山登りして火山ガス等にセンサーぶち込んで計測してた訳だし、衛星写真でそれなりのデータが取れるとなればかなりのブレイクスルーなんじゃないかな?細かい数値は今まで通り山登りして貰う必要がある訳だが…

ゲスト

原論文をグーグルで翻訳したら、「エトナ山のガス観測所の計測データと、衛星からのエトナ山の全体的な樹木の観測データが同じパターンを示した」と言うようなことが書いてあります。
そのうえで「樹木が火山地殻構造から30メートル以内に位置していなくても」とあるので、たぶん上のゲストさんの意見で正解かなと。

るみるみ

分からん

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

地球科学のニュースgeoscience news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!