陰謀論は“個人の趣味”で済まない――家族崩壊の連鎖をどう止める?

今回の研究から、陰謀論は単に信じる本人だけでなく、その周囲にいる家族という社会の最小単位にも深刻な影響を与え得ることが明らかになりました。
家族を亡くしたかのような悲嘆や、関係断絶の危機、そしてそこから生まれる新たな支え合いの必要性など、その影響は極めて深刻です。
Qアノンという一例を通して、陰謀論が家族崩壊を招くリアルな実態が浮き彫りになったと言えるでしょう。
実際、2024年に発表された15名へのインタビュー研究でも、信奉者の性格が一変してしまうこと、家族との感情的・物理的な距離が生じること、激しい口論が増えること、そして様々な和解の試みが行われていること、という四つの共通テーマが報告されています。
Qアノンによって家族関係が悪化する傾向は、こうした少人数の聞き取り調査から今回の大規模なテキスト分析まで、一貫して観察されているのです。
ただし、この研究にはいくつかの限界もあります。
まず、分析対象とした「Qアノンの犠牲者たち(r/QAnonCasualties)」は陰謀論による悪影響に苦しむ人だけが集まる場であり、データはどうしてもネガティブな事例に偏ることになります。
言い換えれば、実際には陰謀論から立ち直って家族関係を修復できたケースや、信奉者本人の視点などはこの分析には含まれていません。
また、投稿者の年齢や性別、政治的傾向や信仰といった属性データがないため、そうした要因による違いを検証できない点も課題です。
フィリップス氏も「フォーラムには陰謀論の悪影響に苦しむ人しか集まっていないため、この研究結果を利用する際にはその偏りに注意すべきだ」と認めています。
ただし氏は、「陰謀論はQアノンに限らず昔から存在し今後も現れ続けるものだから、今回の知見にはQアノン以外にも一般化し得る可能性がある」とも述べています。
陰謀論の社会的弊害というと、デマの拡散や政治的過激化など大局的な問題に注目が集まりがちです。
しかし本研究は、その陰で見過ごされがちな家族単位の痛みに光を当てました。
陰謀論によって心が引き裂かれる家族を支援することも、今後の社会における重要な課題と言えるでしょう。
フィリップス氏自身も、この成果によって陰謀論が人間関係――とりわけ家族――に及ぼす影響への理解が深まることを目指しています。
家族という基盤から社会全体を蝕む陰謀論に、私たちは今後どう向き合うべきなのでしょうか。
今回の研究は、その難題に取り組むための一歩となるかもしれません。
redditはものすごく偏った場所だからなぁ、あそこソースとか言われると…。
Redditは陰謀論の総本山みたいなもんだから、そこのコメントを分析するのは適切でしょう。
政治的に偏った記事増えましたね。
科学に焦点を当てていて欲しいです。
今回陰謀論の話ってなってるけど、これは政治宗教或いは進路や趣味などでも家族内で意見対立がある時によく有る一般的な話じゃんねとしか。
まさにこの懸案対象がいち早くコメントしてて笑えん
本質的に「陰謀論」という語は公になっては困る核心を隠すためのツールでしか無いですよ。それに気づかないような人々は騙されて奴隷にしかならないというのが現の定めなんです。
このコメント欄がそのまま陰謀論のサンプルになってるんですが…