作業時間66分の1!?わずか3時間半で絵画を修復することに成功
今回の技術の実証として、カチキン氏は彼が所持する15世紀の油彩画を使い、実際に修復マスクを製作・装着するまでを実施しました。
その結果、なんと5612箇所もの損傷部位を、約3時間半という圧倒的スピードで修復することに成功したのです。

使用された色数は5万7314通りのユニークな色。
これだけ複雑な配色を再現しながら、作業時間は従来手法の66分の1で済んだというのですから驚きです。
このマスクは単なる「お化粧」ではなく、作品の色彩や筆致を忠実に再現するために、AIが細部まで計算して作成されたものです。
さらに、このプロセスでは修復の全記録がデジタルデータとして残るため、後世の絵画修復士がその意図や内容を正確に把握できます。
今後は、他の作品への適用やマスクの大量生産、そしてAIアルゴリズムのさらなる改良など、幅広い展開が期待されます。
カチキン氏が開発した手法を用いるなら、修復に数年、数カ月かかる絵画であっても、わずか数時間で完成させられるでしょう。
絵画修復士の負担軽減と効率向上にとどまらず、これまで倉庫で眠っていた膨大な作品たちが、再び日の目を浴びる機会も増えるはずです。
「時間がかかるから」という理由で諦められていた多くの名作が、新しいAI技術によって次々に甦る可能性があるのです。
確かに人工知能が得意そうな作業ではある。