AI vs 人間 vs コラボ、最も笑えるミームを作ったのはどれだ?

AIと人間が協力してミームを作った場合、それは人間だけ、あるいはAIだけで作ったミームと比べて本当に面白く、魅力的な作品になるのでしょうか?
この謎を解明するため、研究チームは150人の参加者をそれぞれ異なる方法でミーム作りに挑戦する3つのグループに分けました。
第1のグループは人間だけでアイデアを出し、ネットで人気の画像テンプレートを使ってミームを作りました。
第2のグループは人間がAIの支援を受け、AIが生成する多数のアイデアから気に入ったものを選び、自らの創意工夫を加えて最終的なミームを完成させました。
第3のグループは完全にAI単独で、人間はまったく関与せず、最新のAIモデルが画像テンプレートに合わせたジョークを自動的に生成しました。
次に、約100名の評価者グループが完成したミームを見て、「面白さ」「創造性」「シェアしたくなる魅力」の3つの観点から評価を行いました。
その結果、非常に興味深いことが明らかになりました。
まず「平均的な評価」を見ると、驚くことに、AI単独のグループが最も高い評価を獲得しました。
これはAIがインターネット上の膨大なデータを学習しており、「多くの人がそこそこ楽しめる」安定した面白さを持つミームを量産できることを示しています。
つまり、AIは広く一般受けするミームを作ることが得意なのです。
グループ対抗の結果を総合得点(平均の高さ)という観点でみれば、AI単独が勝利です。
一方で、「個別のミームで最も面白い一本」を比較した場合、最高評価を獲得したのは人間が単独で作成した作品でした。
これは、ユーモアの重要な要素である予想外の展開や独特な視点など、人間のひらめきや創造的な感性がAIには真似できない爆笑を生み出せることを示しています。
人間単独は総合得点こそAI単独に負けたものの、最優秀作品を排出したのです。
さらに興味深いことに、「創造性」や「シェアしたくなる魅力」という2つの評価軸では、人間とAIが協力して作ったミームが最も高い評価を得ました。
AIが提案する多様なアイデアを人間が選別し、自らのアイデアと融合させることで、新鮮でオリジナリティ溢れるミームが生まれたのです。
人間単独では思いつかなかったような「新しい視点」や「シェアしたくなる独自性」は、AIとの協力によって初めて実現しました。
人間とAIのコラボは総合得点や最優秀賞作品賞こそ逃したものの「創造性」部門と「シェアしたくなる魅力」部門のトップをとったと言えるでしょう。
以上の結果からミーム創作の場面では、AIと人間それぞれに異なる強みがあり、それを活かすことでより魅力的な作品を生み出す可能性が見えてきました。
AI単独は安定して広く受け入れられるミームを作り、人間単独は驚きと爆笑を誘う特別な作品を作り、そして人間とAIの協力によって、よりクリエイティブでシェアされやすい新しいミームが生まれるのです。
これらの異なる強みを組み合わせることで、今後さらに面白く独創的なミームを作り出す可能性が期待されます。