痛みを恐れて受診率が下がる「乳がん検診」と「1分で終わる痛みのない新手法」
日本では乳がんの死亡率が年々上昇しており、特に40代後半から60代の女性に多く見られます。
国や自治体も検診の受診を推奨しており、早期発見の重要性は広く認知されているはずです。
ところが医療現場の調査によれば、マンモグラフィ検査を「痛みが怖くて避けたことがある」と答える女性は少なくありません。

特に若年層や乳腺濃度が高い「デンスブレスト」体質の人は、検査時の圧迫による痛みが強く、精神的なハードルが高くなっています。
実際、マンモグラフィでは乳房を2枚の板で挟んで薄く伸ばし、X線撮影を行います。
これは乳腺や腫瘍を明確に映すための工夫ですが、人によっては強い痛みを感じることもあります
加えて、前述角デンスブレストの人では画像が白くかすんでしまい、がんが見えづらくなる「感度の低下」も問題となっています。
こうした背景から、世界中で「痛みのない・正確な乳がん検診」の開発が望まれていました。

そこで登場したのが、ニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)の研究チームが開発した「OneTouch-PAT」です。
この装置では、患者が検査台に立ち、乳房を柔らかいパッドに軽く押し当てるだけで3Dスキャンが自動で行われます。
検査はたったの1分以内で完了し、圧迫による痛みはゼロ。
機器の操作も簡単なため、導入もしやすいというメリットがあります。
では、OneTouch-PATの具体的な具体的な仕組みを見てみましょう。