小さすぎるオスのサバイバル戦略
ブランケット・オクトパスのオスは非常に小さく、海の中で目立たない存在ですが、ただの「小さな無力な存在」ではありません。
むしろ、彼らは独自の進化を遂げ、カツオノエボシという猛毒生物を利用する驚異のサバイバル術を持っています。
カツオノエボシは一見クラゲのように見えますが、実は「ヒドロ虫の集合体」であり、毒針を持つ触手で多くの魚類をしとめる危険な存在です。
しかしオスのブランケット・オクトパスは、このカツオノエボシの猛毒に耐性を持っているのです。
彼らはカツオノエボシの触手の中にこっそり入り込み、その一部を切り取って持ち帰り、自分の「ムチ」として使います。
その触手には依然として毒のある刺胞(ネマトシスト)が含まれており、オスはそれを振り回すことで、天敵を遠ざける武器として活用します。

このようにして、体の小ささを補うために、ブランケット・オクトパスのオスは知恵と適応力で生き延びているのです。
つまり、「小さくても侮れない存在」というわけです。
海の中には、まだまだ私たちが知らない不思議な生き物たちがたくさんいます。
ブランケット・オクトパスのように、「小さすぎるオス」と「大きすぎるメス」が同じ種として共存し、それぞれの形で生存戦略を磨いてきたという事実は、自然界の進化の多様性と奥深さを教えてくれます。
てっきりメスの体にくっつくとかして守ってもらうのかと思ったのに。
かわいくていいと思うのですけど。