社員を追い込まなくても、成果は出る
学術研究では通常、仮説のいくつかが裏切られることは珍しくありません。
しかし今回の研究でボストンカレッジのウェン・ファン准教授は「すべてが事前の予想や期待通りに動いた」と語ります。
働く時間が減った分、社員がその分だけ必死に働いたかというと、そうではありません。
それでも業績は下がらず、企業の基本的な経営指標も維持されていました。
つまり、社員を追い込まずとも、結果は出るということが明らかになったのです。

この現象の背景には「やらされ仕事」の削減があります。
会議に費やされていた時間、社内手続きや報告のための無駄な業務が見直され、「本当に必要な仕事だけに集中できる環境」が整ったのです。
結果として、企業は医療費や離職率を削減でき、新たな人材確保にもつながると報告されています。
実際、週4日勤務に移行した企業の誰一人として「もう戻したい」とは答えなかったといいます。
もちろん、全業種に一律に当てはまるわけではありません。
製造業など、時間あたりの成果が重視される業種では課題が残ります。
それでも「働き方を見直すことで得られる恩恵」は確かに存在し、多くの業種で応用可能なヒントを与えてくれる研究となりました。
現代の多くの仕事では週5日勤務が当たり前であり、中には残業や週6日勤務など、それ以上に働いている人も多くいます。
しかし実際は、もっと働く日数を減らしても会社に損失はなく、むしろ社員の健康や生産性を高める方法として「週4日勤務」は適切な選択肢なのかもしれません。
休息、大事ですよ。