運動不足は親子で「似る」のか調査
現代社会では、運動不足や長時間の座りっぱなしが大人でも子どもでも問題になっています。
座位行動は、肥満や心血管疾患、糖尿病、高血圧、精神的不調など、さまざまな健康リスクと関連していることがこれまで多くの研究で指摘されています。
とくに子どもや若者が1日に何時間も座り続ける生活を送ることは、将来の健康に悪影響を与える可能性が高いと言われています。
そのため国際的にも、座る時間を減らして日常的に運動を増やすことが推奨されています。
しかし、こうした座りすぎや運動不足の傾向は、家庭ごとに大きな差があることも分かっています。
そこで研究チームは、親の遺伝だけでなく、日々の生活スタイルそのものが親子で似てしまう可能性があることに注目しました。
サンパウロ州立大学のチームは、親の運動習慣と子どもの座りっぱなし行動の関連をより客観的かつ詳細に明らかにするため、ブラジル国内で6~17歳の子ども182人と、その母161人、父136人を対象に研究を行いました。
今回の調査では、親子ともに加速度計という小型の活動量センサーを腰に装着し、1週間、24時間体制で座っていた時間と体を動かした時間を自動記録しました。
また、親の運動量は週に150分以上の中強度運動をしているかどうかという国際基準で分類され、十分に運動している親と運動不足の親の2つのグループごとに、親の座位行動と子どもの座位行動がどれだけ関連しているかを統計的に分析しています。
さらに、子どもの年齢や性別、家庭の社会経済的状況、子ども自身の運動量もすべて統計的に調整し、本当に親の運動習慣が子どもの座りっぱなし行動に影響しているのかを明らかにしようとしました。