「毒×毒=安全な鉱物」に変える仕組み
Paralvinella hessleriが過酷な環境で生存できる鍵は、その体内で見つかった黄色い粒でした。
電子顕微鏡や分光分析の結果、これらはヒ素(As)と硫黄(S)からなる雄黄(As₂S₃)という鉱物であることが分かりました。
雄黄は水に溶けにくく、毒性が強いヒ素や硫化水素に比べてワームにとって安全なレベルにあります。
つまり、このワームは皮膚細胞にヒ素の粒子を蓄積し、それらを噴射した流体中の硫化物と反応させていたのです。
二つの猛毒を体内で掛け合わせることで、無害に近い固体の鉱物として封じ込めているわけです。
まさに「毒をもって毒を制す」という戦略を実践していました。
今回の研究は少なくとも3つの点で新たな光を見せてくれました。
まず、動物が毒と毒を掛け合わせて体内で解毒するという非常にユニークな仕組みを持っていたという事実が明らかになったこと。
また、似た現象が他の熱水域のワームや巻貝でも示唆されており、極限環境に生息する生物に共通する生存戦略かもしれないということ。
さらに、この戦略は環境汚染物質の無害化技術や地球外生命探査への応用ヒントにもなるかもしれない、ということです。
今後は、顆粒形成の分子メカニズムの解明や応用研究が期待されます。
地球の“死の環境”で、毒を味方につけた黄色い小さな体は、生命のしたたかさをこれ以上なく鮮やかに示しています。

























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ヒ素と硫化水素の無毒化は、深海だけの現象でしょうか?
例えば、イネは土壌中のカドミウムやヒ素を吸収して植物体に濃縮します。植物遺体も高濃度のヒ素が含まれているでしょう。一方、水田の土を掘ると、白~水色の還元層が見られることがあります。
とすると、その付近に巣食う土壌細菌や間隙動物のうち、無毒化機構をもっているやつらがいるかもしれないですよね。あるいは、鉱毒が流れ込むような調整池の底でも、同様の環境が生じているかもしれませんね。