垂直型ソーラーパネル「SKipp」登場!水面にも浮かべられる
従来のソーラーパネルは、太陽の光を最大限受けるために、地面や屋根の上に斜めや水平に並べて設置するのが一般的でした。
この方法は、日中に太陽が高い位置にある時間帯に最も効率よく発電できます。
しかし、土地の確保が必要で、農地や森林の転用が課題になったり、屋根の形状やスペースによって設置できないケースも多く見られました。
加えて、積雪が多い地域では雪がパネルの上に積もってしまい、発電効率が大きく落ちるという欠点もありました。
そこで、SINN Power社が開発したのが「SKipp(※画像あり)」です。
SKipp最大の特徴は、パネルを“垂直”に立てて並べ、水面にも浮かべられるという点です。
このパネルは、中空のプラスチック樽(バレル)の上に固定されていて、まるで小さなイカダのように水の上にぷかぷか浮かびます。
樽が浮力を持つことで、システム全体を安定して水面に浮かせることができます。
しかも、パネルは風が吹いたときにしなって傾き、風がやむと自然に元の位置に戻る柔軟な構造になっています。
これによって、強風や波、荒天時の損傷リスクを減らすことができます。
システム自体は水面上に浮かんでいますが、アンカーは岸に設置されているため、モジュール全体がしっかり固定され、位置ずれの心配もありません。
SKippは、池や湖、ラグーン、さらには魚の養殖池など、十分な水面があれば設置可能です。
特に、これまで有効活用されていなかった採石場跡の池や人工水面でも導入が進められています。
実際、ドイツ・バイエルン州ギルヒングの採石池では、大規模なSKippシステムが導入されており、現地の工場が必要とする電力の約70%をまかなっています。
このように、SKippは従来の設置方法にとらわれず、新たな発電スペースを切り開いているのです。
では、この垂直型ソーラーパネルのメリットはどんなところにあるのでしょうか。次項で確認しましょう。