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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

骨を噛み砕く「地獄ブタ」が3000万年前の北米に実在した (2/2)

2025.11.17 12:00:30 Monday

前ページ噛む力はライオン並み、脳の大きさはトカゲ並み?

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なぜ「地獄ブタ」と呼ばれるのか

「地獄ブタ」という俗称がついた理由は、その恐ろしい風貌と生態にあります。

分厚い頭骨、突き出た頬骨や下顎の突起、そして何より骨まで砕く力強い歯。

さらに、肩の筋肉を支えるために発達した隆起は、遠目に見るとアメリカバイソンのようにも見えたと言われています。

近年の歯の微小摩耗分析(顕微鏡で歯表面を3Dスキャンし、摂食時にできる細かなキズを解析する手法)では、特に大型個体の歯がライオンやハイエナと区別がつかないほど硬いものを噛み砕いていたことが証明されています。

これは単に植物や肉だけでなく、死骸の骨をも食料として利用していた証拠であり、当時の生態系の「掃除屋」としても重要な役割を果たしていたことを示唆しています。

一方で、小型個体の歯はよりやわらかい素材(肉や草など)を主に切り裂いていたことが判明しており、同じ「地獄ブタ」でも体格や歯の構造によって食性が異なっていた可能性が高いです。

この多様な食性の進化的背景には、当時の北米大陸で激しい捕食競争や環境変動があったことが影響していると考えられます。

骨を噛み砕く能力を持つことで、他の肉食動物が手を付けない「最後のごちそう」をも独占できたのです。

現在、研究チームはさらにカルシウム同位体の分析など、より直接的に「骨食」の証拠を探るプロジェクトも進行中です。

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