未来志向を行う「脳ネットワーク」が「ADHD特性」に関連していた
ここまでで、三つの関係がそろいました。
一つ目は「未来志向が高いほどADHD特性が弱い」という関係です。
二つ目は「未来志向が高いほど、左下頭頂小葉と内側前頭前野の結合が強い」という関係です。
三つ目は「この結合が強いほど、ADHD特性が弱い」という関係です。
研究チームは、これらがどのようにつながっているのかを確かめるため、「媒介分析(mediation analysis)」という統計手法を使いました。
媒介分析とは、Aという要因とCという結果のあいだに、Bという要因が“仲立ち”として入っているかどうかを調べる方法です。
今回の場合、「左下頭頂小葉と内側前頭前野の結合(A)」と「ADHD特性(C)」のあいだに、「未来志向(B)」がどのように入り込んでいるかを検証しました。
解析の結果、未来志向がこの関係をほぼ完全に“媒介”していることが示されました。
つまり、脳ネットワークの結合の強さは、その人がどれだけ未来を意識しているかに影響し、その未来志向の高さが、注意欠如や多動・衝動性の程度と結びついているという流れが統計的に支持されたのです。
この結果から研究チームは、「特定の脳回路のコミュニケーションのあり方が未来志向を形づくり、その未来志向がADHD特性と関係している可能性がある」と結論づけています。
どこまで言える結果なのか、そしてこれからの課題
ただし、この研究にはいくつかの重要な制限があります。
まず、対象はADHD診断を受けた患者ではなく、「比較的健康な大学生」です。
そのため、今回見つかった関係が、臨床的なADHDの人々にもそのまま当てはまるかどうかは、今後あらためて検証する必要があります。
また、研究デザインは一時点での観察に基づく相関研究です。
そのため、「脳結合が弱いから未来志向が低くなり、その結果ADHD特性が強まる」といった因果の向きまでははっきり分かりません。
逆に、もともとの性格傾向や生活習慣が長年のあいだに脳ネットワークの発達に影響している可能性も否定できません。
さらに、未来志向やADHD特性の強さはどちらも自己報告式の質問票で測定されています。
本人の自覚や回答態度が結果に影響する余地があるため、今後は実際の先延ばし行動や締切の守り方など、より客観的な行動データと組み合わせた研究が望まれます。
それでも、この研究は「未来を考える力」と「脳ネットワーク」と「ADHD特性」という三つの要素を同じ枠組みで捉えたという点で、重要な一歩だといえます。
今後は、未来を具体的に思い描くトレーニングや、予定や目標を見える形にしておく支援ツール、さらには薬物療法などが、この脳ネットワークや未来志向にどのような変化をもたらすのかが順番に検証されていくことになります。
もし将来、こうした介入によって未来志向を高め、脳のつながり方を未来を見通しやすい状態に整えられるようになれば、「締切がいつもギリギリになってしまう」という悩みに対する新しいアプローチが見えてくるかもしれません。


























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