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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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【世界初の映像】オオカミが「カニ漁の罠」を引き上げ餌を盗み取る (2/2)

2025.11.19 12:00:10 Wednesday

前ページ犯人は野生のオオカミだった

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これは「道具使用」なのか? 研究者も揺れる定義の境界線

では、この驚くべき行動は「道具使用」と呼べるのでしょうか。

研究者によれば、道具使用には一般的に「外部の物体を、意図をもって目的達成に使用する行動」という定義があります。

この定義だけを見れば、ブイやロープを使って餌を得るオオカミの行動は道具使用に見えます。

しかし一方で、別の定義では「動物自身が“道具と目的の適切な関係”を作り出していなければ道具使用とは言えない」とされます。

今回のケースでは「罠そのものを作ったのは人間」「ロープやブイの構造も人間が設置」「オオカミは既存の仕組みを操作しただけ」という点がネックになります。

そのため、“技術的には道具使用と言えない”という意見がある一方で、“高度なロープ操作能力は特筆すべきであり、新しいタイプの道具使用として認められるべき”という評価も出ており、議論は続いています。

オオカミはどのように学んだのか?

これについては2つの仮説があります。

  1. 人間が罠を扱う様子を観察して学習した

  2. 餌の匂いをたどり、試行錯誤の末に仕組みを理解した

どちらにしても、複雑な“因果関係”を理解して行動できることは明らかで、研究者たちは「これは野生オオカミの高い認知能力を示す重要な証拠」と評価しています。

論文の著者らは次のようなたとえで締めくくっています。

「私たち自身も、仕組みを完全に理解していないコンピュータを使って文章を入力しています。しかし、それでも私たちの認知能力は疑われていないはずです」

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