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Credit: canva
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なぜ夜になっても脳のスイッチを「オフにできない」人がいるのか (2/2)

2025.11.28 07:00:20 Friday

前ページ夜に“切り替えられない”脳、不眠症の人に共通する特徴とは?

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原因は「体内時計」と「思考のクセ」

なぜ、不眠症の人のは夜にスイッチが切れないのでしょうか。

この研究では、脳の24時間リズムの「波の高さ(振幅)」が不眠症群で小さいことも明らかになりました。

本来なら昼と夜でメリハリがつくはずの脳の活動が、「ぼんやりとした平坦なリズム」になってしまうことで、昼の興奮が夜にも残りやすくなっていたのです。

この「リズムの異常」には、加齢や生活習慣、そして不眠症そのものの影響が複雑に絡み合っています。

さらに、不眠症の人に特徴的な「連続的な思考(頭の中で次々と考えがつながる)」は、もともと不安やうつ傾向と関係が深く、夜間でも「考えが止まらない」状態を生み出す一因と考えられます。

この状態は、脳の前頭葉の過活動と関連し、睡眠への“切り替え”が上手くできない神経メカニズムとも結びついています。

このような発見は、不眠症の治療に新たなヒントを与えます。

たとえば、昼間に強い光を浴びる、規則正しい生活リズムを心がける、夜間の思考パターンを意識的に断ち切るための「マインドフルネス」や「認知行動療法」などが有効である可能性があります。

「脳が夜にオフになれない」現象の背景には、体内時計のリズム異常と、考えごとの連鎖という2つの壁が立ちはだかっているのです。

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