致死的の病原菌に犯されたカエルはジャンプ力が23%上がると判明――週末のガンギマリジャンプ
致死的の病原菌に犯されたカエルはジャンプ力が23%上がると判明――週末のガンギマリジャンプ / Credit:Canva
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致死的の病原菌に犯されたカエルはジャンプ力が23%上がると判明――週末のガンギマリジャンプ (2/3)

2025.11.28 20:00:57 Friday

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致死性の病原菌に犯されたカエルは「ガンギマリジャンプ」をする

致死性の病原菌に犯されたカエルは「ガンギマリジャンプ」をする
致死性の病原菌に犯されたカエルは「ガンギマリジャンプ」をする / Credit:Canva

逃れられない死に対してカエルたちは繁殖力強化で抗っているのか?

答えを得るため研究チームは、飼育下で繁殖させたベローアマガエルの成体60匹(オス30・メス30)を用意し、そのうち半分にはツボカビを含む水を八時間ほど浴びせ、残り半分には菌の入っていない水だけを浴びせることで、「感染グループ」と「対照グループ」をつくりました。

その後、カエルたちは毎週、「ジャンプ距離」「温度への耐性」を測定し、体重は0週・3週・6週にチェックされました。

結果、驚きの事実が判明します。

その結果、明らかな違いが浮かび上がりました。

まず感染したカエルはジャンプの距離が大きく伸びたのです。

感染直後は対照群とほぼ同じ跳躍距離でしたが、感染から6週間後には感染個体のジャンプ距離が非感染個体を平均23.8%上回りました。

一方でカエルの耐えられる温度範囲(耐寒・耐熱性)は感染によって低下せず、感染個体も非感染個体と同じく氷点下約-3.5℃の寒さから36℃近い暑さまで耐えられることが確認されました。

つまり病気にかかっても体温調節などの基本能力は健常者並みに維持されていたのです。

また体重についても感染個体と非感染個体に差はありませんでした。

これにより体重の差がジャンプ距離に影響を与えた可能性も減りました。

さらに、感染したカエルたちの中身を詳しく見ると、性別による差も浮かび上がりました。

感染個体だけを取り出してジャンプ距離を比べると、メスは平均22.5センチ、オスは約19.6センチと、メスのほうがオスよりもおよそ1.5割ほど遠くまで跳んでいました。

統計的にもこの差は有意であり、感染下ではとくにメスが「より攻めたジャンプ」をしていることが示唆されます。

もしかしたらメスは卵を抱えていることから、繁殖前に死ぬのをオスよりも回避しようとする動きが強くなっているのかもしれません。

では、このスーパージャンプはいったい何を意味しているのでしょうか。

次ページ死ぬ前のスーパージャンプにはどんな意味があるのか?

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