恐竜やアンモナイトなどの化石を見ると、「遥か昔の地球の姿はどんな風だったのだろう」と想像が膨らみます。ただし、「化石を見つけたい、手に入れたい」とは思っても、「化石になりたい」と思ったことがある人は中々いないのではないでしょうか。
夏休みの子どもたちの疑問に答える「NHK夏休み子ども科学電話相談」の中で、「化石になりたい」という珍しい夢をもつ子どもから質問がありました。
今回は8月29日放送分より、その内容を紹介したいと思います。
「どうしたら僕は化石になれるの?」
質問者:どうしたら僕は化石になれるんですか?
「どうしたら化石になれるか」という一風変わった質問に、先生たちは思わず「えっ!?」と驚きの声を上げます。
その質問をした理由を尋ねてみると、さらに驚きの回答をしてくれました。
司会:なんで化石になりたいと思ったの?
質問者:今の人間の標本になれるかもしれないからです。
人間の標本になりたい、一風変わってるけど非常に面白い夢です。果たしてこの夢は叶えることができるのでしょうか。
この質問に答えるのは、サイエンス作家として活躍する竹内薫先生です。竹内先生によると、人間が化石になる方法は存在するのだそうです。
化石というのは、生物が死んで残った骨に水を通じて金属が入りこみ、土などが覆いかぶさって圧力を受けることで作られます。
しかし、死体を放置するだけでは化石になりにくいと竹内先生は言います。日本人の全人口約1億人ほどの骨が放置されても、化石になるのは20本ほどの確率なのです。
放置するだけで化石になるのは難しい。では、どうすれば化石になる夢を叶えてあげられるのでしょうか?
竹内先生いわく、人間の化石化を研究している人がいるそうです。その研究によると、コンクリートでつくられた棺桶の中に人の死体と砂、鉄分を多く含んだ鉱物を入れてから土の中に埋めると、自然に化石ができるとのこと。
まさか、人間が化石になる方法を研究している人がいるとは…。
また、太古の昆虫がそのままの姿形で保存されている「琥珀」の中に入るのも1つの手。しかし、琥珀を用いるのは非常に難しく、実現するのは難しそうです。
化石化までの道のりは厳しいですが、質問をしてくれた子が、将来人間が簡単に化石になれる方法を確立してくれることを期待しましょう。
「夏休み子ども科学電話相談」の放送は8月31日まで(土日は除く)続きます。まだ聞いていない方も、ぜひチェックしてみてくださいね。
■夏休み子ども科学電話相談