夏休みも残りわずかとなってきました。夏の風物詩といえば「スイカ」ですが、種があって食べにくいと感じることが多いですよね。
子どもたちの素朴な質問に答える「NHK夏休み子ども科学電話相談」の中で、スイカや身近に関する面白い質問が寄せられていました。
今回は8月27日放送分より、その内容を紹介します。
「メロンの種は中心に集まるけど、スイカの種はバラバラなのはどうして?」
質問者:メロンの種は中心に集まっているけれど、なぜスイカの種はバラバラになっているんですか?
形が似ているスイカとメロン。しかしその2つには、「種の集まり方」という全く逆の特徴があります。
身近なだけに気づきにくいこの質問に、「お〜」と声をあげて驚く先生たち。「良い質問!この問題は深い気がする」と、早速スイカとメロンに共通する美味しさについて話してくれました。
質問に答えてくれるのは、植物を専門に研究している多田多恵子先生です。
先生いわく、メロンやスイカが甘くて美味しいのは、動物に食べてもらって種子を遠くへ運んでもらうためなのだとか。
そしてどうやら植物にとっては、「大切な種の集まり方」が異なるようです。
多田先生:種の集まり方を考えてみたけど、動物への食べさせ方が違うのではないかと思うわけですね。
現代のメロンやスイカは、品種改良によって手に収まりきらないほどの大きさですが、昔はかなり小ぶりでした。
メロンの中には、甘い果肉と種、そしてそれにくっつく綿状のものが詰まっています。綿状のものには栄養価が豊富にあり、体内に取り込まれやすいようにヌメリがあります。
メロンは種周辺を一口で食べてもらうために、種の部分を綿状のものと果肉で包むようになり、結果として種が中心に集まったのです。
一方、スイカには実が赤いという特徴があります。鳥にとって赤色は見やすいですが、哺乳類は一般的に赤色が見えにくいという性質があります。スイカは成熟すると自然に破裂するので、破裂したスイカを見て鳥が食べにきます。
その時、種が中心に集まるよりも、散らばっているほうが鳥の体内に吸収される確率が高まるため、種はバラバラになったと答えました。
意外な質問に、少し回答に困っているようにも見えた多田先生でしたが、植物や動物の性質を踏まえてきちんと説明されていました。
もしかしたら多田先生が述べた説以外にも、説得力があるものがあるかもしれません。気になった方はぜひ調べてみてくださいね。
「夏休み子ども科学電話相談」の放送は8月31日まで(土日は除く)続くので、まだ聞いていない方もぜひチェックしてみてください。
■夏休み子ども科学電話相談