誰しも一度は、「もし背中に羽が生えて、自由に空が飛べたら…」という妄想をしたことがあるのではないでしょうか。
夏休みの子どもたちの疑問に答える「NHK夏休み子ども科学電話相談」の中で、そんな「鳥人間」に関する無垢な質問が寄せられました。
今回は8月23日放送分より、その内容をご紹介したいと思います。
「鳥人間は学校に遅刻しないの?」
質問者:もし鳥人間がいたら、学校に遅刻しませんか?
石山アナ:鳥人間とはどんな人間のことかな?
質問者:羽のある人間。
「鳥人間」と「遅刻」という不思議な組み合わせに子どもの無垢さを感じつつ、回答が気になる非常に面白い質問です。
SFチックな質問ですが、先生たちはどのような回答をするのでしょうか。
この質問に回答するのは、鳥を専門にする川上和人先生。質問に答える前に、質問してくれた子どもに疑問を投げかけます。
川上先生:なんで遅刻してしまうか考えてみよう。どういうときに遅刻してしまう?
質問者:なまける?
川上先生:そう!それが一番大きい(理由)と思う。
「怠ける」ということを念頭に置きつつ、次に川上先生は鳥が空を飛ぶことについて話をします。鳥が空を飛ぶということは、大変だということを語っていきます。
空を飛ぶことは、重力に逆らうように浮いて移動しなければいけません。その大変さは、走ったり歩いたりするよりも大変だそうです。
ここで、鳥人間でない私たちは遅刻しないように走りますが、疲れて休憩したり歩いたりしてしまいます。ずっと走り続ければ遅刻は免れるかもしれませんが、大抵の場合は走るのを怠けて遅刻します。
そして川上先生は、質問に対する答えを出しました。
川上先生:走るのでさえ怠けて遅刻してしまうから、もっと大変な飛ぶということは走るよりも疲れるので怠けてしまい、飛べるのに飛ばないで遅刻してしまうと思います。
飛ぶためのエネルギーと、怠けてしまう人の心を真剣に考えてくれた先生。羽があればラクラク学校に着くかと思いきや、実は怠けてしまうという意外な回答に、驚きつつも納得できます。
それでは、どうすれば遅刻しないですむのでしょうか。
川上先生は、早寝早起きすることが大切と伝えました。
結局、鳥人間で飛ぼうとしても莫大なエネルギーが必要なので、その分の朝食を取らないといけません。ということは早起きする必要があるので、早寝早起きするしかないそうです。
「鳥人間になったら遅刻しないのでは」という淡い期待は打ち砕かれてしまいました。しかし質問してくれた子どもも、「結局どんなに非日常的スキルがあっても、ふだんの心がけが大切」という教訓を得ることができたのではないでしょうか。
子どもの質問の着眼点にはっとさせられたり、回答する先生たちのほうが熱くなってしまったりと、大人が聞いても面白い「夏休み子ども科学電話相談」。放送は8月31日まで(土日は除く)続くので、まだ聞いていない方もぜひチェックしてみてくださいね。
■夏休み子ども科学電話相談
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via: NHK / text by ヨッシー