スタミナは筋力だけでなく、脳内の持久力細胞の鍛えで伸びていた――回路遮断で効果消失
スタミナは筋力だけでなく、脳内の持久力細胞の鍛えで伸びていた――回路遮断で効果消失 / Credit:Canva
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スタミナは筋力だけでなく、脳内の持久力細胞の鍛えで伸びていた (3/3)

2026.02.17 22:00:16 Tuesday

前ページトレーニングで鍛えられていたのは脳回路だった

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持久力トレーニングは脳トレでもある

持久力トレーニングは脳トレでもある
持久力トレーニングは脳トレでもある / Credit:Canva

今回のマウス研究により、「持久力トレーニングの効果を引き出すには、筋肉や心臓だけでなく、SF1ニューロンという特定の細胞が活動し、しかもトレーニングによって鍛えられていく」ことが示されました。

走った回数が増えるほどSF1ニューロンへの興奮性入力とシナプスが増え、それが次の運動のときにより強い出力となって全身の代謝を動かす――というモデルを研究者たちは提案しています。

では運動後のSF1ニューロンは具体的に何をしているのでしょうか?

研究者たちは、「燃料の補給とエンジンの改造」を同時に進めている可能性を挙げています。

これまでの研究から、SF1を刺激すると血糖値が上がり、肝臓や筋肉に貯めるグリコーゲンの補充が進む可能性もあると報告されています。

また、筋肉ではPGC-1αというたんぱく質(燃費の良い筋肉への作り替えを進める分子)の発現が高まり、次回以降の運動で脂肪と糖をより効率よく使えるようになりうるとされます。

つまり、SF1ニューロンは「トレーニング後の身体改造計画」をまとめて引き受ける役割をしていると考えられます。

研究者の1人ベトリー氏は「私たちは筋トレをしているとき、筋肉だけを鍛えていると思いがちです。でも実は、脳も鍛えているのかもしれません」と述べています。

しかし「じゃあ人間も神経をいじってスタミナを増やせばいい」と、すぐには言えません。

今回の研究対象はマウスであり、人間でも全く同じ結果が出るとは限らないからです。

ただ研究者たちは類似の仕組みは人間にも存在する可能性があると考えており「塩やサプリメントでこのニューロンを刺激できればスタミナを上昇させられるかもしれない」と考えているようです。

さらに「運動の効果を最大限に引き出すためには、筋肉だけでなく脳の持久力回路をどう働かせるかが重要だ」という視点は、トレーニングの考え方を静かに変える可能性があります。

アスリートや部活生にとっても、休憩時間に脳がしっかり回路を買い換えられるような生活リズムや栄養状態を考えるきっかけになるかもしれません。

もしかしたら未来の世界では、ジムの休憩室にSF1ニューロン刺激装置が置いていて、運動の成果を飛躍的に高められるサービスになっているかもしれません。

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