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デルポイの神託の巫女は「地下ガスを吸って」トランス状態になっていた? (2/3)

2026.03.05 21:00:59 Thursday

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長い間「伝説」とされていた地下ガス

しかし近代の研究者たちは、長い間この記述を信じていませんでした。

1892年から1950年にかけて行われたデルポイの大規模発掘では、ガスの発生源とされる巨大な岩の裂け目が見つからなかったからです。

当時の地質学では、地下ガスが地表に出るのは火山地域に限られると考えられていました。

デルポイ周辺には火山が存在しません。

そのため、古代の記録は誇張や伝聞に過ぎないと見なされてしまったのです。

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『デルフィの巫女』(ジョン・コリア作、1891年)/ Credit: ja.wikipedia

ところが1980年代、状況が大きく変わります。

地質学者の調査により、デルポイの神殿の真下を断層が通っていることが判明したのです。

断層とは、地球のテクトニックプレートがぶつかり合う場所です。

こうした場所では摩擦によって地質活動が起こり、ガスが発生することがあります。

この発見をきっかけに、考古学者の研究チームが調査を開始。すると、デルポイの地下には多孔質の石灰岩が広がっていることが分かりました。

この石はスポンジのように細かな通路を持っており、地下で発生したガスが地表へ上昇する経路になり得ます。

つまり古代の記録にある「大地からのガス」は、実際に存在した可能性が出てきたのです。

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