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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
psychology

AI要約の商品レビューを読むと「購買欲が高まる」、しかし一方で…

2026.03.17 07:00:27 Tuesday

ネットで商品を買うとき、まず、その商品のレビューをチェックしますよね。

最近では実際の購入者だけでなく、AIが要約してくれたレビューも掲載されていたりします。

そんな中、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームは、AIが作成したレビュー要約が消費者の購買意欲にどのような影響を与えるのかを調査。

その結果、実際の人が書いたレビューよりも、AIの要約したレビューを読んだ人の方が、商品を買いたいと答える割合が大幅に高かったのです。

しかし同時に、この研究はもう一つの不安な事実も明らかにしました。

AIはレビューに関する質問に対して、約60%の確率でハルシネーション(事実ではない誤情報の生成・混入)を起こしていたのです。

研究の詳細は2025年12月に開催された「自然言語処理国際合同会議(International Joint Conference on Natural Language Processing)」で発表されました。

 

Reading AI summaries makes people more likely to buy something — despite alarming 60% hallucination rate https://www.livescience.com/technology/artificial-intelligence/reading-ai-summaries-makes-people-more-likely-to-buy-something-despite-alarming-60-percent-hallucination-rate
Quantifying Cognitive Bias Induction in LLM-Generated Content https://aclanthology.org/2025.ijcnlp-long.155/

なぜAI要約だと「商品が買いたくなる」のか

チームはまず、AIによるレビュー要約が人間の判断に、どのくらい影響するか調査。

実験では、電子機器などの商品レビュー1000件が使用されました。

被験者70人は次のどちらかを読むように割り当てられます。

・実際に人が書いたレビュー

・AIが生成したレビュー要約

そのうえで「この商品を購入したいと思うか」を答えてもらいました。

結果は驚くべきものでした。

人のレビューを読んだ場合、購入すると答えた割合は52%

ところがAI要約を読んだ場合、その割合は84%まで跳ね上がったのです。

つまり、AI要約を読むと購買意欲が大幅に高まる傾向が見られました。

チームは、この原因の一つとして、フレーミングの変化を挙げています。

AIはレビューを要約する際、

・ポジティブな内容を強調する

・ネガティブな要素を弱める

といった形で、文章の印象を微妙に変えることがあるのです。

さらにAIには、「中間情報の見落とし(Lost in the Middle)」と呼ばれる特徴があります。

これは文章の前半部分を強く重視し、中盤の情報を十分に考慮しない傾向です。

たとえばレビューの最後に重大な欠点が書かれていても、AIはそれを十分に反映しない可能性があります。

その結果、商品の印象が元のレビューより良く見えてしまうことがあるのです。 

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